シリコン・ラボラトリーズは、「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、Wireless Geckoシリーズ2のスマート照明向けSoC(System on Chip)「EFR32xG21」や、8ビットマイコンの低コストスターターキット「EFM8BB1LCK」などを紹介していた。
シリコン・ラボラトリーズは、「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、Wireless Geckoシリーズ2のスマート照明向けSoC(System on Chip)「EFR32xG21」や、8ビットマイコンの低コストスターターキット「EFM8BB1LCK」などを紹介していた。
展示されていたのは、Wireless Geckoシリーズ2初の製品で、スマート照明向けの無線SoC「EFR32xG21」だ。シリーズ1同様にBluetooth、ZigBee/ThreadをサポートするマルチトコルSoCで、搭載コアを80MHz Arm Cortex-M33コアにバージョンアップ。最大出力20dBm、最大1024Kバイトのフラッシュメモリ/最大96KバイトのRAMといったメモリオプションがある。また、40nmの低電力プロセスを採用し、グリーンエネルギー要件を満たす50.9μA/MHzの低消費電流を可能にしている。さらに、専用のセキュリティコアなどによって高速化、低消費電力化を実現しているという。
シリーズ1では2.4GHz帯のほかサブギガヘルツ帯にも対応可能だったが、EFR32xG21は2.4GHz帯専用のデバイスとなっている。これは、「スマート照明などのIoTシステムに最適化している」ためだといい、説明担当者は、「2.4GHz帯とサブギガヘルツ帯、全てを対応すれば少しコストは上がる。コスト最適化という観点からいえば、こうしたアーキテクチャがよい。シリーズ2では今後、アプリケーションそれぞれに合わせた形の製品展開をしていく予定だ」と話していた。
また、同社の8051ベースの8ビットマイコン「EFM8」や、Cortex-Mベースの32ビットマイコンも展示されていた。EFM8は最大72MHzで動作し、1サイクルまたは2サイクル以下のクロックサイクルで命令の70%を実行。14ビットADC搭載のものがあるほか、高ノイズ耐性Capsense周辺装置および、温度センサーといったアナログ周辺装置もあり、システムコストの削減、設計の簡素化が可能という。
説明担当者は、「8ビットマイコンというと『まだやってるのか』というイメージがあるかもしれないが、現在、産業機器のコプロセッサや簡単な家電のメインプロセッサとして広く利用されており、われわれは注力している」と説明。今後も新製品の展開を続けていく方針で、「8ビットとはいえ、それなりにパワフルな製品だ。低コスト実現のソリューションとして提案ができ、小型家電などコスト競争が激しい市場をターゲットにしている」と説明していた。会場では、同社が2019年10月に発売したばかりの低コスト8ビットマイコンスターターキット「EFM8BB1LCK」も展示。従来の開発ボードからディスプレイなどを省くことで低コスト化したもので、700円程度で購入が可能という。
このほか、会場では、Bluetoothの最新バージョン5.1で可能になる方向検知機能「Angle of Arrival(AoA)」や、ゼロプラミングでBluetoothやWi-Fi、タッチコントローラ、USB接続が可能になる「Xpressソリューション」、スマートホーム市場をターゲットにした無線通信規格「Z-Wave」対応製品や開発ボード「Z-Wave 700」の紹介なども行われていた。
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