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光トランシーバーForm Factorの新動向(2) 〜PCB上に搭載する光伝送技術を知る(13) 光トランシーバー徹底解説(7)(2/3 ページ)

» 2020年09月28日 11時30分 公開
[高井厚志EE Times Japan]

COBO

 このPluggableの課題をいち早く指摘し、OBOへ動いたのがMicrosoftであった。2015年3月にCOBO(Consortium for On-Board Optics)発足のプレスリリースがあり、2018年3月に仕様を発表した。COBOの仕様は公開されていて、COBOのWebサイトから依頼すれば入手できるようになっている。

 図5にCOBOの狙いとFP Pluggableとの比較を示す。FP Pluggableに比較し、PCB上のRe-timerが不要なことや、フロントパネルに32個以上の光ポートを収納できることを示している。16芯光コネクタ64ポートを搭載すれば1024本の光ファイバーを収納できる。

図5 COBOの位置付けと光ポート数(by Top: Molex and Bottom: TE) (クリックで拡大)

 図6にDelta Electronicsのボードデザイン図を示す。MAC Heatsinkの下にスイッチICが搭載され、その周りに16個のCOBOが配置されている。

図6 COBO搭載スイッチのボードデザイン図の例(By Delta Electronics) (クリックで拡大)

 COBOでは、8chと16chの2種類のForm Factorが定義されている。それぞれ56Gと112Gの信号に対応していて、400G(8×50G)、800G(16×50Gあるいは8×100G)、1.6T(16×100G)の光インタフェースが実現できる。また、16ch COBではDual Independentが定義され400G×2と800G×2の独立した光インタフェースを搭載できる(図7)。表1にCOBOが対象としている光インタフェースを示す。

図7 COBOがサポートする3種類のトランシーバー形式 (クリックで拡大)
表1 COBOがターゲットとしている光インタフェース (クリックで拡大)

 コネクターはHigh SpeedとLow Speedの2種類が使用されている。16chは8chのダブルサイズなので、図8に8ch COBOのコネクターの外観図とピン配置を示す。コネクターの詳細は仕様書で定義されている。

図8 8ch-COBOのコネクター(from Specifications) (クリックで拡大)

 図9に挿入方式を示した。z-Drop-downとy-Slideの組み合わせ(Y-Z Insertion Pluggableと称している)である。

図9 COBOトランシーバーの挿入方式(by Samtec) (クリックで拡大)

 消費電力などの条件でさまざまなサイズのForm Factorが可能なz-Pluggableの特長を生かし、COBOでは8chと16chそれぞれに長さが異なる3種類、計6種類のサイズのForm Factorを定義している(図10)。8chと16chそれぞれで同じコネクターを使用し、幅は同じでHigh Speedコネクターと反対側(光インタフェース側)を30mmから40mmと60mmと伸ばした仕様となっている。ハウジング高さは最大7.78mmで、コネクターを含めたホストPCB表面からの高さの最大値は11.45mm(0.45インチ)となっている。

図10 COBOのForm Factor、左列:8ch(幅20mm)、右列:16ch(幅36mm) (クリックで拡大)

 Y-Z Insertionした後のモジュールの固定法は2通りある。図11に示すようにHigh SpeedとLow Speedのコネクターにラッチする方式である。また、60mmの長さのClass Cでは更にねじで固定する。

図11 COBOの固定方法 (クリックで拡大)

 ハウジングの上部にヒートシンク装着可能である。ヒートシンク装着時の固定法に関し2通りの方式が示されている。ねじ等で固定する方法とクリップを使用する方法である。クリップを使用した固定方法例を図12に示す。

 消費電力はトランシーバーに装着するヒートシンク能力によって異なるが最大で8chで20.8W、16chで41.6W。なお、8chではLow Speed pinのピンアサインによって29.1Wまで対応可能だ。

図12 クリップを使用したヒートシンクの固定方式の2つの例 (クリックで拡大)

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