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キオクシア25年度 驚異の決算 Q4純利益は前年比30倍通期売上高2兆3376億円で過去最高(1/2 ページ)

キオクシアホールディングス(キオクシアHD)は2026年度3月期(2025年度)通期の業績を発表した。売上高は2兆3376億円で、2期連続で過去最高を達成。さらに、2025年度第4四半期のNon-GAAP営業利益は約6000億円で、2024年度通期の営業利益(4530億円)を上回る増益を達成した。

» 2026年05月18日 08時00分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 キオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)2026年5月15日、2026年3月期(2025年度)第4四半期(2026年1〜3月期)および通期の決算を発表した。同社にとって、2024年12月の東京証券取引所プライム市場上場後、初の通期決算となる。

 2025年度第4四半期の売上高は1兆29億円。前年比で188.9%増加した。Non-GAAPの営業利益は5991億円で同1499.5%増(15.9倍)、当期純利益は4099億円で同2990.9%増(30.8倍)と驚異的な伸びを示した。いずれも2026年2月に発表したガイダンスを上回り、第4四半期として過去最高を大幅に更新している。

 2025年度通期の売上高は、前年比1.4倍となる2兆3376億円で過去最高を記録した。2024年度に続き、2期連続で過去最高を更新したことになる。Non-GAAPの営業利益は同1.9倍の8762億円、売上総利益は同1.7倍の1兆1032億円で、こちらも過去最高となった。旺盛なAI需要が追い風となり、データセンター/エンタープライズ向けSSDが好調だった。

2026年3月期第4四半期の業績概要(左)および通期の業績概要[クリックで拡大] 出所:キオクシアHD

※)Non-GAAP指標は、IFRS上の数値から非経常的な項目やその他特定の調整項目を控除もしくは調整したもの。同社グループの経営上の社内指標であり、IFRSに基づく会計項目ではなく、また、監査法人の監査又は期中レビューを受けた数値ではない。

キオクシアHD社長 太田裕雄氏 キオクシアHD社長 太田裕雄氏

 キオクシアHD社長の太田裕雄氏は2025年度について「当社はかねて、大容量、高速なストレージであるフラッシュメモリとSSDは、生成AIの成長をけん引するキーデバイスだと伝えてきた。2025年度は、生成AIの活用が学習から推論にシフトする中、ストレージの重要性が強く認識された1年となった」と総括。キオクシアはAI需要に対応すべく、フラッシュメモリの生産能力を拡大した他、大容量のエンタープライズSSD「KIOXIA LC9シリーズ」などをリリースした。太田氏は「これらの取り組みがAI需要の潮流に乗り、記録的な増収増益となり、2期連続で過去最高を更新した。特に第4四半期の営業利益は約6000億円で、単一四半期で2024年度通期の営業利益(4530億円)を上回る増益を達成した」と強調した。

 キオクシアは2025年度、独自のプロセス技術である「CBA(CMOS Directly Bonded to Array)」*)を採用した第8世代のフラッシュメモリ「BiCS FLASH」の生産を拡大した他、2025年9月には北上工場(岩手県北上市)の第2製造棟(K2棟)の稼働を開始した。

*)CBA技術:フラッシュメモリアレイとロジックを別々のウエハーで製造し、それらを貼り合わせるプロセス技術。

販売単価が大幅上昇

 2025年度第4四半期の売上高をアプリケーション別にみると、スマートフォンやタブレット端末、車載向けの「スマートデバイス」が3373億円で前年比323.9%増、PCやデータセンター、エンタープライズ向けのSSDやメモリを含む「SSD&ストレージ」が6003億円で同179.0%増となった。

 いずれの分野でも販売単価が大幅に上昇し、売上高が大きく伸びた。出荷量については、同四半期が製造装置の計画メンテナンス時期に当たっていたことや、2025年度第3四半期で在庫を販売に充てた影響により、前四半期比で約10%減少している。

2025年度第4四半期のアプリケーション別売上高アプリケーション別売上高の推移 2025年度第4四半期のアプリケーション別売上高(左)と、アプリケーション別売上高の推移(右)[クリックで拡大] 出所:キオクシアHD

26年度Q1業績予想、純利益は前年比47倍に

 2027年3月期(2026年度)第1四半期の業績予想は、売上高が前四半期比74.5%増となる1兆7500億円、Non-GAAP営業利益は同117%増の1兆3000億円、Non-GAAP純利益は同112.2%増の8700億円と予想する。

 なお、2026年3月期(2025年度)第1四半期の業績は売上高が3428億円、Non-GAAP営業利益が452億円、Non-GAAP純利益が185億円だった。2026年度第1四半期が予想通りとなれば、売上高は前年同期比で5.1倍、営業利益は同28.8倍、純利益は同47倍になる見込みだ。

2027年3月期(2026年度)第1四半期の業績予想[クリックで拡大] 出所:キオクシアHD 2027年3月期(2026年度)第1四半期の業績予想[クリックで拡大] 出所:キオクシアHD

 2026年度通期の設備投資は約4500億円と、2025年度の2倍を見込む。設備投資は第8世代BiCS FLASHの生産能力拡大が中心になる。

 加えて2026年度は第10世代BiCS FLASHを市場投入する他、推論を高速するためのKV(Key-Value)キャッシュ向けのTLC SSD、AIワークロードに適した新タイプ超高IOPS(Input Output Per Second) SSDなどの開発を強化する。2026年3月には、自社のSSDに使用するDRAMの安定調達に向け、台湾のDRAMメーカーNanya Technology(以下、Nanya)に156億台湾ドル(約774億円)を出資することを発表した。これらの取り組みと適切なコスト管理により、経営基盤をより強化していく。

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