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ダイヤモンド材料のAkhan、半導体材料の開発加速へ2000万ドルの資金調達

半導体業界向けダイヤモンド材料のメーカーである米新興企業Akhan Semiconductor(以下、Akhan)は、長期投資家を含む財務パートナーとの2000万米ドルの資金調達ラウンドを完了した。同社は、米国イリノイ州ガーニーにある「Diamond Mine 1」と呼ぶ施設を拡張し、商用製品の市場投入に向けて製造能力を強化する計画だという。

» 2022年02月22日 15時00分 公開
[Alan PattersonEE Times]

 半導体業界向けダイヤモンド材料のメーカーである米新興企業Akhan Semiconductor(以下、Akhan)は、長期投資家を含む財務パートナーとの2000万米ドルの資金調達ラウンドを完了した。

米国中西部が「米国の電子機器製造ハブになる」と予測

 同社は、米国イリノイ州ガーニーにある「Diamond Mine 1」と呼ぶ施設を拡張し、商用製品の市場投入に向けて製造能力を強化する計画だという。

 Akhanは、「当社のダイヤモンドガラス『Miraj Diamond』は、主要な競合企業の製品と比べて強度が6倍で、硬度が10倍、冷却能力が800倍以上である」と主張している。

 Akhanの創設者であるAdam Khan氏は、「誰もが、かさばるケースで保護する必要のない、最も洗練されたスマートフォンを求めているが、それはほんの始まりにすぎない。当社のダイヤモンドガラス技術には多種多様な用途がある」と述べている。

 同氏は、「資金調達が完了したこととリーダーシップチームにキーパーソン2人が加わったことで、迅速に施設を拡張して、この有用性の高いプラットフォームに対する急速な需要の高まりに対応できることになった」と述べている。

 同社は、米国中西部は、世界クラスの学術機関や成長軌道にあるベンチャーキャピタルがあり、生活費が比較的低いといった理由から、米国の電子機器製造ハブとして浮上してくると予測している。Intelは最近、200億米ドルの半導体製造工場の建設地にオハイオ州を選んでいる。

 Akhanは、追加の資金調達も計画しているが、スケジュールは確定していない。同社は、半導体材料を製品開発の中心に置く計画だという。

ダイヤモンドガラスは「現在、最重視すべき材料」

 Khan氏はインタビューの中で、「Akhanのダイヤモンドプラットフォームには多くの用途がある。半導体は開発および投入に長い時間がかかるため、マーケットインパクトの観点において最も切迫したタイミングである今、Miraj Diamondは最重視すべき材料となっている」と述べている。

 イリノイ州のAkhanの施設近くにある米国エネルギー省傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は2014年に、ダイヤモンドをベースとする半導体技術の商用化を目的とした官民パートナーシップの一環として、AkhanとIP(Intellectual Property)ライセンス契約を締結したと発表した。

 Akhanは2021年から、同社の施設で「CMOSダイヤモンド技術」を適用して300mmウエハーを生産している。

 Khan氏は2021年のインタビューで、「ダイヤモンドは、軍事および航空宇宙向け半導体アプリケーションにおいて、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの特殊材料に代わる候補である」と指摘している。

 高温、高電圧環境で動作することは、半導体の性能を拡張するために必要とされる新材料の基本要件だ。Khan氏は、市場規模がはるかに大きい自動車分野でもダイヤモンドCMOSの新たな用途を見込んでいる。自動車分野では、ストレスのない操作性と高出力アプリケーションへの対応が求められる。

 Akhanは資金調達ラウンドの他に、CEO(最高経営責任者)にCraig Mitchell氏を、COO(高執行責任者)兼プレジデントにJohn Thode氏を迎え入れたことも発表した。同社は、2人がAkhanにサプライチェーンの開発、製造、IPライセンス供与に関する経験をもたらすと期待している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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