ドイツの医薬/化学品大手Merckは2022年4月26日、日本のエレクトロニクス事業部門に対して、2025年までに1億ユーロ(約135億円)以上の投資を行うと発表した。半導体材料の研究開発(R&D)、製造における主要拠点である静岡事業所の強化が中心だ。
ドイツの医薬/化学品大手Merckは2022年4月26日、日本のエレクトロニクス事業部門に対して、2025年までに1億ユーロ(約135億円)以上の投資を行うと発表した。半導体材料の研究開発(R&D)、製造における主要拠点である静岡事業所(静岡県掛川市)の強化が中心という。
同社エレクトロニクス・ビジネスCEO(最高経営責任者)のKai Beckmann氏は、「この投資は、エレクトロニクスデバイス向けの先端材料の開発におけるMerckの業界ポジションをさらに盤石なものとし、次世代の半導体とディスプレイ開発の加速につながるものだ」と述べた。
Merckは1668年創業と長い歴史を持つドイツの医薬/化学品大手で、半導体材料および液晶材料などを扱うエレクトロニクス分野の他、ヘルスケア、ライフサイエンスの計3分野で事業を展開。2021年は66カ国で計197億ユーロの売り上げをあげている。エレクトロニクス分野に関して、同社は、「日常生活に欠かせないハイテク材料やソリューションを提供する半導体業界をリードする、トータル材料ソリューションプロバイダーであり、世界中のチップにわれわれの製品またはサービスが採用されている」と説明。特にディスプレイ用フォトレジストではトップクラスのシェアを誇るという。
同社は2021年9月、エレクトロニクス事業のイノベーションと能力強化に向けグローバルで展開する成長戦略「Level Up」を発表。同戦略では、「革新的な半導体/ディスプレイ材料を巡る世界的な需要の急増に伴う成長機会の獲得に照準を当てている」(Beckmann氏)といい、2025年末までにアジアおよび米国の拠点を中心に30億ユーロ以上の大規模な投資を行う予定としている。今回の投資は、この戦略の一環で、生産能力の強化、先端材料のR&D、日本の開発パートナーとの関係強化を予定している。
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