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Lockheed MartinがIntelやNVIDIAと協業へ防衛システムの統合を目指す(1/2 ページ)

米国の航空宇宙大手Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)が、防衛システムへの安全な接続を実現する計画「21世紀コンセプト」の一環として、IntelとNVIDIAの他、大手技術メーカー8社との協業を発表した。

» 2022年05月19日 10時30分 公開
[Alan PattersonEE Times]

半導体メーカーと連携強化

 米国の航空宇宙大手Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)が、防衛システムへの安全な接続を実現する計画「21世紀コンセプト」の一環として、IntelとNVIDIAの他、大手技術メーカー8社との協業を発表した。

 Lockheed Martinは、統合打撃戦闘機「F-35」や、現在ロシア/ウクライナ紛争でも使われているジャベリン対戦車ミサイルなど、幅広い種類の防衛装備を手掛けるメーカーだ。同社としては、いずれこのような武器が、Teslaの電気自動車と同じように、オンラインでアップグレードできるようになる日が来ると考えているようだ。

 Lockheed MartinのCEO(最高経営責任者)であるJames Taiclet氏は、米国のシンクタンクAtlantic Councilが2022年4月29日に開催したイベントの中で、「まずは、オープンアーキテクチャや、IoT(モノのインターネット)環境、一連の標準規格などを確立し、Lockheed MartinやNorthrop Grumman、Boeingなど、どのメーカーの製品であるかに関係なくIoT/5G(第5世代移動通信)対応のシステムに接続することにより、全てのアセットを統合して、6カ月〜12カ月ごとにミッションへの対応能力を高められるようにする必要がある」と述べている。

 Lockheed Martinが今回、IntelやNVIDIAをはじめとする米国技術メーカー各社との協業体制を構築したのは、電子戦争やサイバー侵略などに対する脆弱性から、ネットワーク接続システムの安全性を保護できるようにするためだという。

 Taiclet氏は、「今われわれが進めている取り組みにおいて、商用IoT/5Gネットワークの中の最適なコンセプトを採用する必要がある。当社は現在、業界のリーダー的企業約10社との間で協業体制を構築している。全て米国企業だ。また既に、3〜4社との協業についても公表している」と述べる。

 Lockheed Martinは、5G分野ではVerizonを、クラウドコンピューティング分野ではMicrosoftを、それぞれパートナーに選んでいる。シミュレーション/AI(人工知能)技術に関しては、NVIDIAのサポートを受けるようだ。

 Taiclet氏は、「当社がIntelをパートナーとして選んだのは、半導体チップそのものが、なりすましやハッキングを防止でき、比較的安価にカスタマイズ可能であることが不可欠だからだ。これまでに既に膨大な資金が投じられてきた商用技術業界との協業によって、さらに開発スピードを加速させていきたい考えだ。防衛業界だけでは実現不可能な、素晴らしい人材もそろっている」と述べる。

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