米Seagate Technologyの2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月)の業績を紹介する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2022年7月21日、WDが同年8月5日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。7月21日に同社が発表したのは2022年4月〜6月の四半期業績で、会計年度では「2022会計年度第4四半期」となる。
2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の売上高は前四半期(前期)比6.2%減、前年同期比12.8%減の26億2800万米ドルである。前期比は2四半期連続の減少、前年同期比は6四半期ぶりの減少となった。
概況としては、大容量ストレージ製品(マスキャパシティ製品)の需要は安定しているとする。記憶容量が20TB(テラバイト:1012バイト)以上のニアライン向けHDD製品の販売台数が米国のクラウド事業者によって急速に立ち上がりつつある。VIA(video and image applications)向け需要の低迷は3月期に底を打ったものの、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行によるロックダウンの影響が残る。ロックダウンの緩和による需要増が今後は期待できる。
既存のストレージ製品(レガシー製品)は、インフレーションの圧力(インフレ圧力)とCOVID-19によるロックダウンが市況を厳しくしているとする。クライアント向けHDDが全体の売り上げに占める割合は10%を切った。コンシューマー向けHDDの需要は予想以上の落ち込みを見せた。インフレ圧力の高まりによって消費者の購入意欲が削がれている。
2022会計年度第4四半期(2022年4月〜6月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期(前期)比10.6%減、前年同期比22.7%減の4億2200万米ドルである。前期比は3四半期連続の減少、前年同期比は5四半期ぶりの減少となった。粗利益率(Non-GAAPベース)は29.3%で、前の四半期から0.1ポイント上昇した。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は16.1%で、前の四半期から0.7ポイント低下した。利益率は前の四半期から減少したものの、まだ健全と呼べる水準にある。
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