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Wolfspeed、SiC工場拡張に50億米ドルを投資高まり続けるEV市場の需要獲得へ(1/2 ページ)

SiC(炭化ケイ素)とGaN(窒化ガリウム)デバイスに特化したワイドバンドギャップ半導体メーカーであるWolfspeedは、減速の兆しが見られない電気自動車(EV)市場の需要獲得に向けて、最大50億米ドルを投資する計画だ。

» 2022年09月14日 15時30分 公開
[Alan PattersonEE Times]

 SiC(炭化ケイ素)とGaN(窒化ガリウム)デバイスに特化したワイドバンドギャップ半導体メーカーであるWolfspeedは、減速の兆しが見られない電気自動車(EV)市場の需要獲得に向けて、最大50億米ドルを投資する計画だ。

SiC工場に最大20億米ドルを投資

 同社は2022年9月9日(米国時間)、世界最大規模のSiC工場に最大20億米ドルを投資することを発表した。同工場は、米国ノースカロライナ州ローリー郊外の研究学園都市Research Triangle Parkにある本社近くに設置される。

Wolfspeedのグローバルオペレーション担当シニアバイスプレジデント(SVP)、Rex Felton氏

 Wolfspeedのグローバルオペレーション担当シニアバイスプレジデント(SVP)を務めるRex Felton氏は、米国EE Timesに対し、「社内のニーズだけでなく、急成長するSiCのニーズにも対応できるようになることは、Wolfspeedにとって次なる大きなステップだ。新工場は、他に類を見ない工場になるだろう」と述べている。

 ローリーの新施設では、太陽の温度(表面温度は約6000℃/黒点部分は4000〜4500℃とされる)の半分に相当する非常に高い温度でSiC結晶を成長させるという。その後、2022年初めに米国ニューヨーク州モホークバレーに開設された同社の半導体工場向けとして、200mmウエハーに加工される。両施設のエネルギー消費量は膨大になると予想される。

 この拡張プロジェクトのトップエンジニアであるFelton氏は、「これは当社にとって意思決定の重要ポイントだった。モホークバレーに決めたのは、ナイアガラの滝という、すぐに利用可能で環境に優しいエネルギー供給源がそう遠くないところにあるからだ」と述べている。

 ノースカロライナ州では、米国の大手電力エネルギー会社Duke Energyが、「この施設からの、この施設を支える、かなり大きな電気需要」(Felton氏)を強力にサポートする。

 Felton氏によると、同社のモホークバレー工場は、世界初の完全に自動化された200mmウエハー工場だという。

 「工場は完全に消灯される。300mmウエハーでは珍しいことではないが、200mmでは、立ち返って作り直さなければならないことがある。200mmは、300mmと同じ規格ではないためだ」(Felton氏)

 Felton氏は、「今回発表した約20億米ドルのプロジェクトによって、今後5年間で社内外の需要に追い付くことができると考えている」と述べている。

WolfspeedのSiC製造施設の完成予想図[クリックで拡大] 出所:Wolfspeed

 その次のステップには、10年ほどの期間と約50億米ドルの投資が必要になる可能性があり、約1800人の雇用を創出するとみられる。

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