レゾナック、半導体パッケージ用接着フィルム増産へ:五井事業所(鹿島)に52億円投資
レゾナックは、茨城県神栖市にある五井事業所(鹿島)で、半導体のパッケージング工程に用いる接着フィルム「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を増強する。増強部分は2026年に稼働予定で、グループ全体の生産能力は約1.6倍に増える。
レゾナックは2023年4月、茨城県神栖市にある五井事業所(鹿島)で、半導体のパッケージング工程に用いる接着フィルム「ダイシング・ダイボンディング一体型フィルム」の生産能力を増強すると発表した。増強部分は2026年に稼働予定で、グループ全体の生産能力は約1.6倍に増える。投資額は52億円。
ダイボンディングフィルムは、極めて薄いフィルム状の接着剤。メモリなど積層化が進む半導体チップの接続に用いられ、需要が拡大する。特に、同社のダイシング・ダイボンディング一体型フィルムは、ウエハーから半導体チップを切り出すために用いられるダイシングテープの機能を併せ持つ。このため、ウエハー裏面へのフィルム貼り付けを一度で行うことができ、製造工程を短縮することができるという。
ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの外観 出所:レゾナック
同社はこれまで、ダイシング・ダイボンディング一体型フィルムの製造を、五井事業所(鹿島)で行ってきた。2021年には新たに中国のグループ会社「SD Materials (Nantong)」でも生産を始めた。製品の需要増と安定供給に対応するため2拠点体制とした。さらに今回の設備投資によって、今後の需要拡大にも迅速に対応できる製造体制を整える。
- “国内初”VRを活用した半導体材料開発に成功
レゾナックは2023年2月15日、仮想現実技術を活用した半導体材料開発に国内で初めて成功したと発表した。基板/分子界面をVRで3次元的に表示し、属人化していた材料の相互作用に関する分析過程の改善につなげる。
- レゾナック、SiC材料は好調も初決算は減収減益
レゾナックの2022年12月期通期(1〜12月)の業績は、売上高が前期比1.9%減の1兆3926億円、営業利益が前期比31.9%減の594億円となった。2023年度通期業績予想は非開示も、同第1四半期業績は赤字の予想だ。
- 新生レゾナック、半導体材料に集中で「世界トップの機能性化学メーカー」へ
レゾナックは2023年1月17日、記者説明会を実施した。同社社長の高橋秀仁氏は、半導体/電子材料事業を中核として集中的な投資をすすめ、「世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指す」と方針を示した。
- Infineon、レゾナックとSiC材料供給契約を新たに締結
Infineon Technologiesは2023年1月12日、レゾナック(旧:昭和電工)とSiCパワー半導体に使用されるSiC材料について新たな複数年の供給/協力契約を締結し、2021年に締結した販売および共同開発契約を補完/拡大する、と発表した。
- 次世代半導体実装技術、「JOINT2」が現状の成果を展示
次世代半導体パッケージ実装技術の開発を目指すコンソーシアム「JOINT2」は「SEMICON Japan 2022」(会期:2022年12月14〜16日、会場:東京ビッグサイト)で、取り組みの内容や研究開発の進捗を紹介した。
- 「後工程で圧倒的な存在感を出せる」、昭和電工が強調
昭和電工は2022年11月1日、記者説明会を開催し、半導体業界における同社の強みや戦略などを語った。昭和電工は2020年に旧・日立化成(現・昭和電工マテリアルズ)を買収して経営統合を進めてきた。両社は2023年1月1日、統合新会社「レゾナック(RESONAC)」となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.