キオクシアの2022会計年度(2023年3月期)第3四半期(2022年10月〜12月期)と、同会計年度第4四半期(2023年1月〜3月期)の連結決算の内容を紹介する。
フラッシュメモリ大手キオクシアの持ち株会社であるキオクシアホールディングスは2023年2月14日に2022会計年度(2023年3月期)第3四半期(2022年10月〜12月期)の連結決算を、同年5月12日に同会計年度第4四半期(2023年1月〜3月期)の連結決算を公表した。キオクシアホールディングスとキオクシアは、東芝がフラッシュメモリ事業を2018年6月1日に投資ファンドなどに売却することによって誕生した。2019年10月1日には会社名を「キオクシア」に変更した。なお現在も東芝は、キオクシアホールディングスの株式の約40%を所有する最大株主である。ただし、東芝はキオクシアグループの経営と執行には一切関わっていないので留意されたい。
2022会計年度第3四半期(2022年10月〜12月期)の売上高は前期(前四半期)比29%減、前年同期比31%減の2782億円である。スマートフォン、PC、データセンター向けで出荷数量が減少するとともに、需給バランスが緩んで単価が低下したことから、大幅な減収となった。
同四半期の営業損益は赤字で、933億円と大きな営業損失となった。営業損益が赤字となるのは2020会計年度第4四半期(2021年1月〜3月期)以来、7四半期ぶりである。販売単価の低下と棚卸資産の評価損、さらには生産調整による出荷減(315億円相当)により、前四半期(2022年7月〜9月期)の営業利益806億円から、一気に1739億円もの巨大な減益となった。
記憶容量(ビット)換算の出荷数量は第2四半期(2022年7月〜9月期)が前期比で20%台前半の増加、第3四半期(2022年10月〜12月期)が前期比で10%台半ばの減少である。記憶容量当たりの販売単価(円ベース)は、第2四半期(2022年7月〜9月期)が前期比で10%台前半の下落、第3四半期(2022年10月〜12月期)が前期比で20%台前半の低下となった。なおドルベースの販売単価は為替交換比率が円安に推移したため、前期比で20%台半ばの低下とさらに悪化している。
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