続く2022会計年度第4四半期(2023年1月〜3月期)の売上高は前期(前四半期)比12%減、前年同期比38%減の2452億円である。出荷数量は増加に転じたものの、単価の下落が続いて全体としては減収となった。
同四半期の営業損益は前期を超える大幅な赤字で、営業損失は1714億円に達した。赤字幅は前期と比べて84%増えた。販売単価の下落と棚卸資産の評価減、固定資産税の一括計上などから、損失が拡大した。
キオクシアの四半期業績推移(東芝のフラッシュメモリ事業を含む)。2017会計年度第4四半期(2018年1月〜3月期)までは東芝のメモリ事業および旧東芝メモリ(東芝の完全子会社)の業績。2018会計年度第1四半期(2018年4月〜6月期)は旧東芝メモリ(東芝の完全子会社)(4月〜5月)および新東芝メモリ(Pangeaの子会社およびPangeaとの合併会社)の業績(6月)を筆者が推定したもの(注)。同じく2018会計年度第2四半期(2018年7月〜9月期)の売上高(新東芝メモリ)は筆者が推定したもの。そのほかは各社の公表資料を筆者がまとめた[クリックで拡大]記憶容量(ビット)換算の出荷数量は第3四半期(2022年10月〜12月期)が前期比で10%台半ばの減少、第4四半期(2023年1月〜3月期)が前期比で10%台前半の増加である。記憶容量当たりの販売単価(円ベース)は、第3四半期(2022年10月〜12月期)が前期比で20%台前半の低下、第4四半期(2023年1月〜3月期)が前期比で20%台後半の下落となり、単価はさらに低下した。なおドルベースの販売単価は為替交換比率が円高に推移したため、前期比で20%台前半の低下にとどまった。
在庫調整の進展による需要の回復は、2023年後半になると予想する。キオクシアグループとしては次世代製品の開発と製造コストの低減を継続していく。
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