米Seagate Technologyと米Western Digitalの2023会計年度(2023年6月期)の通期業績を紹介する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)は、2023会計年度(2023年6月期)の通期(年間)業績を公表した。公表日は同年度第4四半期の業績発表日と同じで、Seagateが2023年7月26日(四半期業績の記事:「HDD大手Seagateの四半期業績、6期連続で前期比の売上高が減少」)、WDが同7月31日(四半期業績の記事:「HDD大手Western Digitalの業績、4四半期連続の減収で赤字幅がさらに拡大」)である。
なお両社は、前年の7月から本年の6月までを会計期間と定めている。また前会計年度(2022会計年度)の業績概要は、本コラムの第227回でご報告した。
始めはSeagateの2023会計年度業績を説明していこう。売上高は前年比36.7%減の73億8400万米ドルである。営業損益(GAAPベース)が3億4200万米ドルの赤字に転落した。前年度は黒字で営業利益(GAAPベース)が19億5500万米ドルだった。同社の営業損益が年度ベースで赤字となるのは、2009会計年度(営業損失26億6500万ドルを計上)以降で初めてのことだ。粗利益率(GAAPベース)は18.3%である。前年の29.7%から11.4ポイント低下した。
過去5年におけるSeagateのストレージ事業を振り返ると、売り上げに占める大容量HDD製品(マスキャパシティ品)の割合が年々、高まっている。5年前の2018会計年度(2018年6月期)には、マスキャパシティ品がHDD製品の売り上げに占める比率は45%だった。それが2022会計年度(2022年6月期)には、HDD製品の売り上げに占める比率は74%に上昇した。2023会計年度(2023年6月期)にはさらに上昇して75%に達した。HDD売り上げの4分の3が大容量品となっている。
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