NTT社長の島田明氏は、tsuzumiについて既に500以上の企業や団体から問い合わせがあるとし、「想定以上の反響で忙しく、うれしい悲鳴を上げている状況だ」と述べた。問い合わせをしてきた企業/団体の内訳については「海外からの数十件を除き、ほとんどが国内企業/団体で、8割が大企業だ」と語った。
業種別では、製造業が最多で、自治体や金融と続く。利用用途は、製造業関連では議事録作成の他、工場や開発工程での活用に関する案件相談が多く、全体では「CX・顧客対応改善」や「EX・社内業務改善」に関するものが多いという。
導入費用については「個社の要求に合わせてソリューションベースで提供するため、案件次第だ」としつつ、「『GPT-4』を活用する場合よりもROI(投資利益率)が高くなるように価格を設定している」と説明した。販売目標については、2027年に売り上げ1000億円を目指すという。なお、パラメーターサイズが6億の超軽量版の開発も順調に進捗していて、近日中の提供開始を予定している。
tsuzumiのサービス提供開始に合わせて開かれた会見では、NTT 執行役員 研究開発マーケティング本部 研究企画部門長の木下真吾氏が、電力消費量をグラフから読み取らせるデモや、手書きの資料に記載されている情報を、PCで管理できるようにデータ記述言語に変換するというデモを披露した。
NTTは、2024年5月から「tsuzumi パートナープログラム」を開始する。パートナー企業に対し、tsuzumiのAPI(Application Programming Interface)を一部無償提供することで、顧客の事業/サービスへの組み込みや特化モデル開発、インテグレーションを促進する狙いだ。既に、東京海上日動火災保険やヤマト運輸、千葉大学、福井県など、複数の企業/団体が参画を決定している。
また、同社は、今後の戦略として、日本語/英語にとどまらず、業界/業種特化型LLMの多言語対応を実現し、グローバルで展開していく方針も示した。
 1つのGPU/CPUで推論可能な超軽量LLM「tsuzumi」を24年3月から提供へ
1つのGPU/CPUで推論可能な超軽量LLM「tsuzumi」を24年3月から提供へ 生成AIの台頭で高まる「光電融合技術」への期待、NTTが意気込みを語る
生成AIの台頭で高まる「光電融合技術」への期待、NTTが意気込みを語る NTTら、400億円超の支援受け光電融合技術の開発加速へ
NTTら、400億円超の支援受け光電融合技術の開発加速へ ついに始まるIOWN、ネットワーク遅延200分の1に
ついに始まるIOWN、ネットワーク遅延200分の1に 「LLMの巨大化」が生成AIのボトルネックに
「LLMの巨大化」が生成AIのボトルネックに 半導体設計をサポートするLLMを開発したNVIDIA
半導体設計をサポートするLLMを開発したNVIDIACopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング