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ソシオネクストの24年度1Q、中国向け『特需』終了で減収も営業増益通期見通しは据え置き(1/2 ページ)

ソシオネクストの2024年度第1四半期(1Q)の売上高は前年度比14.1%減の528億円、営業利益は同1.5%増の103億円、純利益は同4.8%減の76億円になった。

» 2024年08月01日 11時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソシオネクストは2024年7月31日、2024年度第1四半期(2024年4〜6月)の決算説明会を行った。2024年度第1四半期の売上高は前年度比14.1%減の528億円、営業利益は同1.5%増の103億円、純利益は同4.8%減の76億円になった。

 中国の5G(第5世代移動通信)基地局向け『特需』(右下図の売上高グラフにおける緑色部分)が2023年度で終了したことが減収の主な要因だが、同社取締役兼執行役員副社長の米山優氏は、「製品売り上げそのものについては安定的に推移している」と説明している。

 同社は2024年度通期見通しについて、2024年5月発表の売上高が前年度比9.6%減の2000億円、営業利益が同24.0%減の270億円、純利益が同25.4%減の195億円から変更はないとした。

2024年度第1四半期業績概要[クリックで拡大]四半期別の売り上げおよび営業利益の推移 左=2024年度第1四半期業績概要/右=四半期別の売り上げおよび営業利益の推移[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

NRE売り上げ増で営業利益は増加

 2024年度第1四半期の業績を詳しく見ると、製品売上高は為替影響(+43億円)があったものの、中国の5G基地局向け『特需』の終了が100億円強のマイナス要因となったことに加え、特需以外の中国向けでも、民生やFA(ファクトリーオートメーション)分野で需要の弱含みの状態が続いていることなどから、結果として前年同期比106億円減の423億円になった。一方、設計開発段階に顧客から対価として受け取る売り上げである「NRE売り上げ(Non-Recurring Engineering)」については、為替影響(+10億円)に加え、検収のタイミングが重なったことなどから同19億円増の103億円で着地した。

 営業利益は、製品売り上げ減少による製品粗利減や研究開発費/販管費の増加はあったが、NRE売り上げ増加による粗利増および為替の好影響によって、前年同期比2億円増となった。

前年同期比で見た業績前四半期比で見た業績 左=前年同期比で見た業績/右=前四半期比で見た業績[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 2024年第1四半期業績を前四半期比でみると、売上高は12億円増のプラス成長となっている。ただ、円安による為替影響が+21億円あったことから、「為替影響を除くとほぼ同水準の結果だ」と説明している。一方、営業利益は、製品売り上げ原価率の改善による製品粗利益増および研究開発費減によって、27億円増となっている。

今後は米国向けが拡大、データセンター分野への期待も

 2024年度第1四半期売り上げの内訳をアプリケーション別にみると、製品売上高は2023年度通期とほぼ同じ傾向だが、データセンター/ネットワーク分野が若干減少した一方で、自動車分野が増加している。NRE売り上げについても自動車分野が51%にまで拡大している一方、データセンター/ネットワーク分野は2%に縮小している。ただ、米山氏は「NRE売り上げは顧客の検収のタイミングによるため、第1四半期にたまたま少なかったことによるもので、年間で通すとならされるだろう。現在、同分野に力を入れているため、第2四半期以降の数字を見てほしい」と説明していた。

 地域別では、製品売上高は特需の終了などから中国向けの比率が34%に減少している。米山氏は「(中国向けは)2024年度は30%強程度となり、徐々に下がっていくと見ている」と説明。今後は米国向けが拡大していく見込みだという。NRE売り上げでも、米国向けが51%となり、堅調な伸びを示している。なお、現在、米国向けの大半が自動車分野というが、米山氏は「アクションカメラなどの民生も一部あるほか、今後データセンター分野も期待される」と説明。「当社としては市場的にイノベイティブな企業が多いのは米国ということになるため、今後は米国の比率が上がっていくと考えている」と述べていた。

売り上げ内訳(アプリケーション別)売り上げの内訳(地域別) アプリケーション別(左)と地域別(右)の売り上げ内訳[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト
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