米Seagate Technologyの2025会計年度第1四半期(2024年7月〜9月期)の業績を紹介する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2024年10月22日、WDが同年10月24日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。10月22日に同社が発表したのは2024年7月〜9月期の四半期業績で、会計年度では「2025会計年度第1四半期(Q1FY25)」となる。この四半期はニアラインHDDを中心とするクラウドおよびエンタープライズ向けの需要が強く、売り上げを押し上げた。また同分野向けHDDの利益率が上昇したことで、営業利益が増加した。
2025会計年度第1四半期(2024年7月〜9月期)の売上高は前四半期(前期)比14.9%増、前年同期比49.1%増の21億6800万米ドルである。前四半期(前期)比は4四半期連続で上昇した。前年同期比は9四半期ぶりに増加した前期に続き、2四半期連続の増加となった。
営業利益にはNon-GAAPベースとGAAPベースがある。Non-GAAPベースの営業利益は4億4200万米ドル、GAAPベースの営業利益は4億300万米ドルとなった。前四半期比(前期比)ではそれぞれ35.2%増、28.3%増と前期に続いて伸びた。GAAPベースの営業利益は4四半期連続で前期を上回った。
粗利益率はNon-GAAPベースが33.3%、GAAPベースが32.9%である。前期と比べてそれぞれ1.5ポイント増、1.1ポイント増となった。売上高営業利益率はNon-GAAPベースが20.4%、GAAPベースが18.6%である。前期と比べてそれぞれ3.1ポイント増、2.0ポイント増となった。
Seagateは製品別の収支を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)製品」に大別している。売り上げのほとんどを占めるのは「HDD製品」である。「HDD製品」は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つに分けている。
「大容量品(マスキャパシティ品)」には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。「既存品(レガシー品)」には、ミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどの製品がある。これらの定義に基づき、発表資料では第1四半期の市場動向と製品開発の概況をまとめていた。
HDD製品の販売は「大容量品(マスキャパシティ品)」の売り上げが5四半期連続で成長した。総出荷記憶容量の93%を大容量品が占めた。大容量品の大半を占めるニアライン(クラウド向け)のHDDが好調で、米国のクラウドサービスプロバイダーによる需要が第1四半期の売り上げ増に貢献した。
開発動向では、新開発の24TB大容量HDD(従来技術)と28TB大容量HDD(瓦書き技術)が売り上げを急速に伸ばした。両製品の合計売り上げがニアラインHDDの売り上げに占める比率は20%を超えたとする。
「Mozaic 3+」シリーズとして開発中の熱アシスト記録方式を採用した30TBを超える大容量HDDは、大手クラウドサービスプロバイダーによる品質認定手続きが順調に進んだとする。画像データ(VIA:video and image applications)用HDDおよびNAS(Network Attached Storage)のユーザーでも品質の認定が進行しつつある。
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