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半導体のネガティブイメージ解消へ、ソニーやキオクシアら国内大手が集結電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記

地道な取り組みを長く続けていくことが重要だと感じます。

» 2025年09月16日 12時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 この記事は、2025年9月16日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。

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半導体のネガティブイメージ解消へ、ソニーやキオクシアら国内大手が集結

 「レガシーな産業、地味、地方勤務」――。半導体業界に対する、こうしたネガティブなイメージを解消し、半導体人材の裾野を広げるために、国内大手半導体メーカーらが新たな取り組みを進めています。

 半導体は国家の安全保障や経済戦略に直結する「戦略資源」として位置付けられ、近年、各国政府は供給網の強化/国内製造能力の確保を推進。日本国内でも半導体企業による巨額の投資が相次いでいます。こうした中で業界において大きな課題となっているのが人材不足です。JEITAは2023年、国内に工場を有する半導体メーカー9社だけで今後10年で4万人の人材が追加で必要という見通しをまとめています。

 業界の人材不足という課題は今に始まったことではなく、大学で「優秀な学生が半導体の研究に進まない」、企業で「採用母集団に苦戦」というのは長年の課題だといいます。この要因の1つに、ネガティブなイメージから業界に興味を持つ学生が少ないという点が挙げられます。

 国内大手のソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)担当者は「半導体の『認知』は上がっているが、ネガティブなイメージを解消できておらず『興味』につながらない」と説明。同社が2023年に実施したアンケートでは「日本の半導体業界はプレゼンスが低下し、情報系と比較するとレガシーな産業のイメージ」「都心勤務やリモートワークなど、働き方が先進的な印象のAI/情報系と比べると地方勤務やクリーンルームといった地味な印象」といった意見も寄せられたそうです。

 そんなイメージを解消し、業界への興味喚起を促すため、SSSやキオクシア、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)、東芝デバイス&ストレージ(以下、東芝D&S)、三菱電機、ローム、Rapidusら国内の半導体メーカーがタッグを組んで展開しているのが「SEMICON TALK」です。

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