ロームは2026年度から2028年度までの3カ年の中期経営計画を発表した。SiC事業については「2028年度に黒字化達成を確信している」と強調した。
ロームは2025年11月6日、2025年度上期(2025年4〜9月)業績に併せて、2026年度から2028年度までの3カ年の中期経営計画を発表した。2028年度に売上高5000億円以上、営業利益率20%以上、ROE(自己資本利益率)9%以上という財務目標を定めていて、顧客志向ととがった技術、そしてそれを支える垂直統合型メーカー(IDM)、すり合わせ技術、パワー/アナログ技術という同社の強みを進化させ、成長していくと説明した。
成長戦略としては、パワー/アナログを軸に自動車での成長を実現しつつ、産機と民生その他(サーバ、家電など)も強化しバランスの良いポートフォリオを目指す。またセンシング向けオプティカルデバイスへの注力も進め、次世代の柱として育てるとしている。
具体的な売り上げ構成としては、不採算事業の縮小/撤廃を進めつつ事業別ではSiC中心のパワーデバイスを大きく伸ばす。市場別では特に自動車を全体の55%に当たる2750億円まで拡大するとともに、AIサーバ向けの産機も伸ばしていく。
営業利益1000億円達成に向けては、SiC事業の収益性向上に加え、生産拠点の再編や事業ポートフォリオ適正化、製造コストダウンや価格適正化などを進めていく方針だ。
ロームは今回、LSI事業とパワーデバイス事業など各事業の戦略についても説明した。
LSI事業は売上高1100億円以上、営業利益率22%以上を目指す。収益性を大きく改善し、全社の利益率をけん引する事業とすべく、高収益/成長分野への開発リソース振り向けによる製品ラインアップ拡充や、チップレット、高効率DrMOS、オンデバイス学習AIなどの独創的な技術開発による競争力の確保を実施。同時に量子アニーリング適用による工程流動の最適化および金価格の高騰への対処、さらに生産拠点の統廃合による固定費削減なども進めていくとした。
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