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半導体の性能向上は「AI演算の需要」を満たせるのか市場成長は楽観視も(1/2 ページ)

瞬く間に新たなバズワードとなった「生成AI」。求められる演算量や演算速度が右肩上がりで増加する中、半導体はそのニーズに応えられるのか。

» 2025年12月22日 11時00分 公開
[Stefani MunozEE Times]

 生成AIは、広範にわたる技術業界において、瞬く間に新たなバズワードになった。その背景には、巨大企業やスタートアップが一様に、AI分野でのシェア獲得を狙っているという正当な理由がある。しかし、そのAIを駆動するために使われるシステムに必要なコンポーネントや性能が十分に備わっていない場合、メーカー各社はこのAIブームから一体どれくらいの価値を得られるのだろうか。

 確かに現在は、増加の一途にあるAIワークロード需要に対応する形で、半導体売上高が増大している。WSTS(World Semiconductor Trade Statistics/世界半導体市場統計)が発表した世界半導体売上高に関する最新レポートによると、2025年上半期の世界半導体売上高は、前年同期間比で18.9%増となる3640億米ドルに達したという。

 半導体売上高の展望については、2025年第3四半期が予想以上に好調だったことを受け、引き続き楽観視されている。WSTSのデータによると、世界半導体市場は25%を超える成長率で伸び、9750億米ドル規模に達する見込みだという。アナリストたちはこの売上高増加の要因について、「初期のAIエッジアプリケーションが登場したことで、データセンターインフラの需要が増大しているためだ」と考えている。

 しかし、半導体業界は変動が激しいため、成長傾向にはあるものの、注意深く楽観視するという姿勢を維持することが重要だ。

 Deloitteは2025年2月に発表したレポートの中で、半導体売上高について、より控えめな見方を示している。「生成AIチップや、それに関連するメモリや先進パッケージング、通信などの売上高は、桁外れの売上高/収益に貢献しているが、高付加価値チップとしての数量は少ないため、業界全体におけるウエハー生産能力とその稼働率に関してはそれほど高くない」と述べる。

 「ここで読者にも、半導体業界は周期的な変化が激しいということを再認識してほしい。この業界は過去34年間で、成長と縮小を9回も繰り返してきた。1990〜2010年と比べると、ここ14年間の成長/縮小サイクルはそれほど極端なものには見えないが、頻度としては高くなってきている。2025年は今のところ堅調が予測されているが、2026年にどうなるかは分からない」(同レポート)

半導体業界のサイクル[クリックで拡大] 出所:Deloitte 半導体業界のサイクル[クリックで拡大] 出所:Deloitte

 では半導体業界は、特に売上高成長が期待されている中で、AIの進化を実現するにあたり、堅調を維持できるのだろうか。実際のところ、業界は既に苦戦しているように見える。

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