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世界半導体市場、2029年に1兆米ドル規模へ 製造装置も成長継続メモリはスーパーサイクル突入(1/2 ページ)

SEMIジャパンは2025年12月16日、同年12月17〜19日にかけて開催される「SEMICON Japan 2025」(東京ビッグサイト)の記者会見を実施した。その際に半導体市況について説明し、世界半導体市場は2029年に1兆米ドルを超える見込みであることなどを語った。

» 2025年12月17日 09時30分 公開
[杉山康介EE Times Japan]

 SEMIジャパンは2025年12月16日、同年12月17〜19日にかけて開催される「SEMICON Japan 2025」(東京ビッグサイト)の記者会見を実施した。その際、SEMIのマーケットインテリジェンスチームのシニアディレクターを務めるClark Tseng氏が、半導体の市況について説明した。

世界半導体市場は2029年に1兆米ドルを超える

 Tseng氏によると、世界の半導体市場は2030年にかけて年平均成長率(CAGR)8%で成長し、2029年には市場規模が1兆米ドルを超える見込みだという。特に成長をけん引するのがAIで、AI関連の半導体はCAGR 16%で成長し、2030年に市場の半分を占めると予測。半導体製造装置の領域でも、AIや高性能コンピューティング(HPC)関連への投資が拡大傾向にあり、2030年には全体の57%を占めると予測した。

世界半導体市場の成長予測半導体製造装置への投資におけるAI、HPC関連の割合予測 左=世界半導体市場の成長予測、右=半導体製造装置への投資におけるAI、HPC関連の割合予測[クリックで拡大] 出所:SEMIジャパン

 2025年10月時点での、世界の半導体製造装置の年間出荷額は、前年比15.7%増の1080億米ドルだった。中でも台湾は同108%増、韓国は同25%増と躍進した。AI向け半導体、特にGPUと高帯域幅メモリ(HBM)の好調を受けての結果だという。

 日本は前年比27%増で健全な成長を遂げていて、中国は同4%減とマイナスながら、SEMIの予測よりも良い結果だと説明。一方、北米は同17%減、欧州は同44%減と大幅なマイナスになった。いくつかのプロジェクトが先送りになったことや、車載分野、産業分野の回復が遅れていることが原因だとする。

地域ごとの半導体製造装置の年間出荷額と成長率 地域ごとの半導体製造装置の年間出荷額と成長率[クリックで拡大]出所:SEMIジャパン

25年の半導体製造装置市場は1330億米ドルに

 続いて、世界半導体製造装置の2025年末市場予測を発表した。2025年の売上高は前年比13.7%増の1330億米ドルに達し、過去最高を記録する見込みだという。今後も継続的に成長し、2026年には前年比9%増の1450億米ドル、2027年には同7%増の1560億米ドルに達すると予測する。

半導体製造装置の市場予測とセグメント毎の割合 半導体製造装置の市場予測とセグメント毎の割合[クリックで拡大]出所:SEMIジャパン

 セグメントごとに見ると、ウエハープロセス処理装置、ファブ処理装置、マスク/レクチル製造装置を含むウエハーファブ装置領域が、前年比11%増の1157億米ドルに達すると予測。AI需要によるDRAMやHBMへの投資が予想以上に活発化していることや、中国の継続的な生産能力拡大が反映されたものだとしている。今後は、デバイスメーカーによる先端ロジック、メモリ技術への支出増加に伴い、2027年には1352億米ドルに達する見込みだとする。

 後工程装置領域の2025年売上高は、半導体テスト装置が前年比48.1%増の112億米ドル、組み立て、パッケージング(A&P)装置は同19.6%増の64億米ドルに達すると予測。AIやHBM、先端パッケージングなどが成長ドライバーになり、継続的に成長する見込みだという。

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