Gartnerによると、2026年の半導体市場は前年比63.9%増の1兆3200億米ドル規模に拡大する見込みだ。しかし、同社シニアディレクターアナリストの山地正恒氏は「成長の実態は出荷数量の増加ではなく値上がりだ」と指摘する。また、日本企業が恩恵を受けにくい構図も浮き彫りになった。
米国の市場調査会社Gartnerの日本法人ガートナージャパンは2026年4月21日、メディア向けブリーフィングを開催。Gartner シニアディレクターアナリストの山地正恒氏が、2025年の半導体市場の振り返りや2026年以降の見通しについて説明した。
2025年の世界半導体市場の売上高は前年比22.4%増の8053億400万米ドルだった。企業ごとに見ると売上高1位は2年連続でNVIDIAとなり、売上高は1222億2200万米ドルと、2位で売上高769億7900万米ドルのSamsung Electronics(以下、Samsung)に大きく差をつけた。NVIDIAは前年比成長率も59.2%と高かった。
なお、売上高ランキングの上位10位までに日本企業の名はなかった。日本企業で最も順位が高かったのはソニーで、順位は13位だった。
半導体購入額で見ると、Appleが前年比8.0%増の771億3200万米ドルで最大だった。2位はSamsung(432億2300万米ドル、同7.0%増)、3位はAlphabet(386億8100万米ドル、同183.6%増)が続く。山地氏は「購入額のランキング上位の顔ぶれが変わった。以前はPCやスマートフォンのメーカーが中心だったが、そうしたメーカーが減ってAlphabetやMetaのようなハイパースケーラーが入ってきたのは近年の大きな変化だ」と分析する。調達額ランキングでも10位以内に日本企業は入っておらず、16位のソニーが最高だった。山地氏は「2000年代はソニーやパナソニック、東芝など日本企業が3社ほど入っていた」と指摘する。
2025年の世界半導体市場の前年比成長率が22.4%と高かったことについて山地氏は「数値を見ると『半導体業界にとって良い1年だった』といえそうだが、実際のところ、判断は難しい」と分析する。高成長を記録したのがAIやデータセンターに関連する企業のみだったからだ。山地氏は「他の分野は大きく成長しないか、むしろマイナス成長となっている。日本はAIに関連する半導体メーカーもそれを消費するメーカーも少ないので、成長にあやかることが難しい」と指摘する。一方で、SSDの需要は高まっていることから、NAND型フラッシュメモリを手掛けるキオクシアなどには期待が持てるという。
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