シャープは2026年6月9日、2026年度の事業説明会を開催し、既存事業の展望についても説明した。ディスプレイデバイス事業は車載やモバイル/産業向けで黒字化を目指しつつ、先端パネルレベルパッケージプロセスの開発など、ディスプレイの技術を活用した新規事業の創出を行う計画だという。
シャープは2026年6月9日、2026年度の事業説明会を開催した。同会では「再成長に向けた取り組み」と題したシャープ全体の目指す方向性を説明するとともに、「ディスプレイデバイス」「スマートホーム」「スマートワークプレイス」ら3つの既存事業の現況や、今後の展望についても説明した。
シャープ執行役員ディスプレイデバイス担当で、シャープディスプレイテクノロジー社長の川合勝博氏が、ディスプレイデバイス事業の状況を説明した。2025年度はIT用途向けビジネスの減少によって減収したが、車載向けのプロダクトミックス改善およびモバイル/産業向けの販売拡大などにより、営業損失が182億円と、前期の269億円から大幅に縮小した。
2026年度は顧客需要への対応に伴い、亀山第2工場(三重県亀山市)の停止時期が8月から12月へと後ろ倒しになったことで90億円規模の営業損失が発生する予定で、全体では60億円の営業損失を見込むものの、車載やモバイル/産業といった継続事業では黒字化を目指す。
今後の方向性としては選択と集中によるアセットライト化、車載およびモバイル/産業の注力事業での収益改善によって早期の黒字化を目指す。車載専用ラインの亀山第1工場では、車載ディスプレイの大画面化や複数搭載による需要拡大、低温ポリシリコン(LTPS)方式液晶ディスプレイ(LCD)の伸長、中国をはじめとした地政学的リスク回避などを追い風に成長を見込んでいて、新規生産機種の順次立ち上げと販売拡大によって、2027年度の売上高1400億円を目指す。
「車載ビジネスは一度受注が取れると、およそ3〜5年程度、その車種が続く限りは安定した収益源になる。ただし地政学的リスクなどだけで勝ち続けることはできないため、引き続き新しい、とがった高付加価値製品の開発を行う」(川合氏)
もともとスマートフォン向けディスプレイを中心に製造していた白山工場(石川県白山市)は、さまざまな製品に対応したマルチ型の工場へと転換していて、特に仮想現実(VR)/複合現実(MR)製品向けの超高精細ディスプレイに最適化されているという。それを含む高付加価値製品の販売拡大によって、2027年度の売上高1000億円を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング