既存事業の収益化を進めるとともに、ディスプレイ技術を基盤とした新規事業創出にも力を入れる。発光材料やIGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素から構成される酸化物半導体)技術を活用し、消費電力0Wで表示可能な電子ポスター(ePoster)など非液晶ディスプレイの展開を進めるほか、光学や薄膜トランジスタ(TFT)アレイ技術の活用で、光学部材やセンサーなど新規デバイスを開発する。
半導体後工程市場への参入も検討している。参画する半導体後工程自働化・標準化技術研究組合(SATAS)の取り組みの一環として、後工程自働化の研究開発を行うパイロットラインを亀山工場に構築し、2027年度中の稼働を目指し進めている。液晶モジュール実装やパネル生産技術を生かして、先端パネルレベルパッケージプロセスの開発も検討しているという。
「シャープは1mサイズのガラス基板のハンドリング経験や、反らないようにガラスを積層するノウハウなどがあり、ガラスインターポーザーパネルの開発に役立つと考えている。具体的なロードマップはまだ定まっていないが、まずはパートナー企業のサポートからスタートして、そこで得た知見から新しいビジネスにつながる可能性もある」(川合氏)
家電やAIoTプラットフォームなどを手掛けるスマートホーム事業の2025年度は、市況低迷や競争環境の激化で減収したが、米国キッチン事業およびB2B(Business to Business)事業の伸長や、テレビ事業とエネルギーソリューション事業における構造改革効果で増益を達成。2026年度は白物家電を中心に成長し、売上高6640億円、営業利益410億円の増収増益を目指す。
今後の方向性として、生成AI対応家電に蓄積した顧客データを統合し、エージェンティックAIを提供することでAIサービスの収益化に向けた本格展開を進める。ほかにもB2B事業の拡大、ブランディングの強化によって、シャープの売上高全体を底上げするような事業体にしたいという。
オフィス機器やPC、スマートフォンといったデジタル機器などを手掛けるスマートワークプレイス事業は、Windows11切換特需やメモリ/SSD価格高騰に伴う駆け込み需要がありつつスマートフォンの販売減で売上高は横ばいだった。営業利益もほぼ横ばいだが、2024年度の一過性要因を排除すれば実質的な増益だとする。
2026年度はPC特需の反動やメモリ/SSDの価格高騰などで売上高7790億円、営業利益390億円と減収減益を見込むが、スマートビジネスによって事業構造の転換を加速する予定だ。具体的には、ハードウェア販売が中心の既存事業をITサービス/ソリューションへと展開しつつ、AIコンサルティングやロボティクス事業、通信衛星事業など、成長領域の新規事業を創出し、高収益/高成長な事業構造へ転換していく。
シャープ新社長は海外事業出身 鴻海と連携で「新たな成長ステージへ」
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