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AIが食い尽くすメモリ供給 企業ITを揺らす価格高騰インフラ投資の「副作用」(1/2 ページ)

AIインフラの急速な構築により、高性能メモリの供給が逼迫(ひっぱく)する事態が続いている。特にメモリ調達担当者は、調達戦略を全面的に見直す必要があるだろう。

» 2026年06月22日 11時00分 公開
[Pablo ValerioEE Times]

 AIインフラの急速な構築によって、高性能メモリの大量消費が続く中、企業のIT部門や機器メーカー各社は、DRAM/NAND型フラッシュメモリの深刻な構造的供給不足に直面している。

 このような危機により、企業の予算管理は予測不能になっているが、一方で世界のトップメモリメーカー各社は、過去最高レベルの収益を享受している。

 大手半導体メーカーは、クラウドサービスプロバイダー各社によるエンタープライズSSDや大容量メモリ関連の爆発的な需要による後押しを受け、過去最高の売上高成長を報告している。

 市場調査会社TrendForceによると、2026年第1四半期における世界トップ5のNANDフラッシュサプライヤーの合計売上高は、前年同期比83.7%増となる389億米ドル超に達したという。この主な成長要因は、生産量の増加ではなく、供給不足から生じた価格上昇によるものとみられる。

 TrendForceによれば、Samsung Electronicsは、2026年第1四半期も市場トップの座を維持し、NANDフラッシュ売上高は同年前期比104.7%増となる135億1000万米ドルに達したという。またSK hynixとキオクシアも売上高を大きく伸ばし、それぞれ44.6%増と80%増を記録した。

 Micron Technology(以下、Micron)とSanDiskは、市場シェアで同率4位を獲得し、いずれも売上高は前年同期比96.7%増となった。両社は、コスト上昇によってスマートフォン/PC関連の需要が減速している中でも、高価値/大容量の製品に注力することによって収益を確保した。

2026年第1四半期における、NANDフラッシュサプライヤーの売上高ランキング[クリックで拡大] 出所:TrendForce

部品の調達、より困難に

 このような製造メーカーの高収益は、企業の調達担当者や装置メーカーにとって、必要な製品の調達が非常に難しくなってきていることを意味する。

 Gartnerによると、メモリ価格は2026年前半に50〜200%上昇し、サーバ関連コストは125%以上増加した。装置メーカーは供給不足のために、大量のメモリを必要とするサーバ構築計画を変更したり、さらにはキャンセルも余儀なくされている。

メモリ不足による影響予測[クリックで拡大] 出所:Gartner

 GartnerのシニアディレクターアナリストであるJames Smith氏は、米国EE Timesとの電子メールのやりとりで「企業のIT調達担当者にとって、通常の交渉戦略はもはや機能しなくなっている」と警告する。ベンダー各社が現在提示している価格見積もりは、有効期限がわずか1週間で、多くのベンダーは、製品出荷の直前の段階までハードウェア価格を値上げすることが可能だという。

GartnerのJames Smith氏 出所:Gartner

 Smith氏は「このような不安定な市場に対応するためには、企業はメモリの調達方法を変えるべきだ」と提案する。供給不足は少なくとも2027年までは続く可能性があるが、買い占めたり、条件の厳しい契約を結んだりすることがないよう警告している。

 「真のリスクは、市場が落ち着く前に、予測を固定されたテイクオアペイ協定に変更してしまうことだ。われわれの調査研究では、12〜24カ月の需要予測を立てることを推奨しており、調達側を長期の調達契約に縛り付けることは推奨していない」(Smith氏)

 もし調達担当者が、サプライヤーと早い段階から話し合いを開始して最新予測を共有すれば、高価格に縛り付けられることなく、ベンダーに必要な情報を提供することができる。企業は、実際の調達契約を、1年単位ではなく月ごとまたは四半期ごとに行うべきだ。

 Smith氏は「われわれが推奨するのは、早い段階から需要予測について提示し、サプライヤーと密接な関係を維持しながら、供給と価格の予測可能性が向上するまで柔軟性を保つということだ」と付け加えた。

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