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「必要なのは包括的アプローチ」 AMDのフィジカルAI戦略とは上位プロセッサ「X100」紹介(1/2 ページ)

AMDは組み込み/エッジAI領域のテクノロジーイベント「AMD Embedded Computing Summit」の開催と同時に、メディア向けブリーフィングで同社のフィジカルAI事業を説明した。正式発表したばかりのハイエンドプロセッサ「X100」を紹介するとともに、同社が展開するフィジカルAIプラットフォームの狙いを語った。

» 2026年09月01日 10時30分 公開
[杉山康介EE Times Japan]

 AMDは2026年8月28日、組み込み/エッジAI領域のテクノロジーイベント「AMD Embedded Computing Summit」を開催し、メディア向けブリーフィングで同社のフィジカルAI事業について説明した。

CPU/GPU/NPUを統合、共通メモリで遅延を低減

 AMDは、フィジカルAI市場は2035年までに2000億米ドルの最大市場規模(TAM)になると見込む。同時にAMDの会長兼CEOのLisa Su氏は、2026年1月の「CES 2026」(米国ラスベガス)で「フィジカルAIはテクノロジーの中でも特に難しい。人の手を借りずに環境を理解し、リアルタイムで正確に動く必要がある。そのためには複数のコンピューティングをシームレスに、ミスなく動作させないといけない」と述べている。

AMDによるフィジカルAI市場の成長予想 AMDによるフィジカルAI市場の成長予想[クリックで拡大]出所:AMD

 従来のフィジカルAIは、CPUとAIアクセラレーター間の通信に時間がかかっていた。そこでAMDは、CPUとGPU、NPUを統合した組み込み向けプロセッサ「Ryzen AI Embedded Processor」をCES 2026で発表。すでにローエンドモデル「P100」の展開を開始していて、2026年7月に、ハイエンドモデルの「X100」を正式発表した。

 X100はZen 5アーキテクチャ採用のCPUとRDNA 3.5採用GPU、XDNA 2採用NPUを1つのSoC(System on Chip)に集積した。これらのデータ管理に最大128GBの共通メモリを用いることで、チップ間のデータ伝送を短絡化し、低遅延を実現した。

X100共通メモリでプロセッサ間のデータ伝送を短絡化 左=X100、右=共通メモリでプロセッサ間のデータ伝送を短絡化[クリックで拡大] 出所:AMD

 AMDカントリーマネジャーの杉山功氏は「フィジカルAIにおいて、AIはシステムの一部にすぎない。CPUやGPU、NPUといった異なるエンジンを統合し、リアルタイムで高速動作させるような技術が必要だ。その答えがX100だ」と述べる。

 X100は2026年第4四半期の量産開始を予定していて、すでにサンプル提供を開始している。8コアCPU/32ユニットGPUの「X168」、12コアCPU/32ユニットGPUの「X188」、16コアCPU/40ユニットGPUの「X199」の3モデル展開で、P100の計5モデル展開とあわせて「エッジから高度な演算能力が求められるフィジカルAIまで、フルでサポートできるラインアップだ」(杉山氏)とする。

AMDのフィジカルAI向けプロセッサポートフォリオ AMDのフィジカルAI向けプロセッサポートフォリオ[クリックで拡大]出所:AMD

 Su氏はCES 2026で「フィジカルAIの領域で真のインテリジェンスを提供するには、チップだけではないフルスタックのアプローチが必要だ」とも述べている。そのためAMDでは、ソフトウェアやプラットフォームなどを含むフィジカルAIエコシステムを、オープンなコミュニティーで展開することを重視する。

 「AMDはハードウェアからソフトウェア、プラットフォームまでオープンソースで提供する。エコシステムもパートナーとオープン環境で協力しながら、フィジカルAI全体のソリューションを提供していくことが市場のためになると考えている。すでにパートナーも存在していて、実際に市場で使えるような環境になりつつある」(杉山氏)

AMDカントリーマネジャーの杉山功氏。手に持つプロセッサのうち左がP100で、右がX100 AMDカントリーマネジャーの杉山功氏。手に持つプロセッサのうち左がP100で、右がX100[クリックで拡大]出所:AMD
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