AMDは組み込み/エッジAI領域のテクノロジーイベント「AMD Embedded Computing Summit」の開催と同時に、メディア向けブリーフィングで同社のフィジカルAI事業を説明した。正式発表したばかりのハイエンドプロセッサ「X100」を紹介するとともに、同社が展開するフィジカルAIプラットフォームの狙いを語った。
AMDは2026年8月28日、組み込み/エッジAI領域のテクノロジーイベント「AMD Embedded Computing Summit」を開催し、メディア向けブリーフィングで同社のフィジカルAI事業について説明した。
AMDは、フィジカルAI市場は2035年までに2000億米ドルの最大市場規模(TAM)になると見込む。同時にAMDの会長兼CEOのLisa Su氏は、2026年1月の「CES 2026」(米国ラスベガス)で「フィジカルAIはテクノロジーの中でも特に難しい。人の手を借りずに環境を理解し、リアルタイムで正確に動く必要がある。そのためには複数のコンピューティングをシームレスに、ミスなく動作させないといけない」と述べている。
従来のフィジカルAIは、CPUとAIアクセラレーター間の通信に時間がかかっていた。そこでAMDは、CPUとGPU、NPUを統合した組み込み向けプロセッサ「Ryzen AI Embedded Processor」をCES 2026で発表。すでにローエンドモデル「P100」の展開を開始していて、2026年7月に、ハイエンドモデルの「X100」を正式発表した。
X100はZen 5アーキテクチャ採用のCPUとRDNA 3.5採用GPU、XDNA 2採用NPUを1つのSoC(System on Chip)に集積した。これらのデータ管理に最大128GBの共通メモリを用いることで、チップ間のデータ伝送を短絡化し、低遅延を実現した。
AMDカントリーマネジャーの杉山功氏は「フィジカルAIにおいて、AIはシステムの一部にすぎない。CPUやGPU、NPUといった異なるエンジンを統合し、リアルタイムで高速動作させるような技術が必要だ。その答えがX100だ」と述べる。
X100は2026年第4四半期の量産開始を予定していて、すでにサンプル提供を開始している。8コアCPU/32ユニットGPUの「X168」、12コアCPU/32ユニットGPUの「X188」、16コアCPU/40ユニットGPUの「X199」の3モデル展開で、P100の計5モデル展開とあわせて「エッジから高度な演算能力が求められるフィジカルAIまで、フルでサポートできるラインアップだ」(杉山氏)とする。
Su氏はCES 2026で「フィジカルAIの領域で真のインテリジェンスを提供するには、チップだけではないフルスタックのアプローチが必要だ」とも述べている。そのためAMDでは、ソフトウェアやプラットフォームなどを含むフィジカルAIエコシステムを、オープンなコミュニティーで展開することを重視する。
「AMDはハードウェアからソフトウェア、プラットフォームまでオープンソースで提供する。エコシステムもパートナーとオープン環境で協力しながら、フィジカルAI全体のソリューションを提供していくことが市場のためになると考えている。すでにパートナーも存在していて、実際に市場で使えるような環境になりつつある」(杉山氏)
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