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次世代のコンピューティングを支える光伝送と光電融合福田昭のデバイス通信(522) 2026年度版実装技術ロードマップ(5)(1/2 ページ)

「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズ。今回は「2.2 情報通信」の「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」について、概要を説明する。

» 2026年08月28日 11時00分 公開
[福田昭EE Times Japan]

「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」の概要を説明

 電子情報技術産業協会(JEITA)が2026年6月に発行した「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズの第5回である。報告のベースは、2026年6月9日に開催された完成報告会(注:報告会の撮影および録音は禁止)の講演スライドだ。ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(JJTRC:Japan Jisso Technology Roadmap Council)のご協力を得て講演スライドの一部を掲載している。この場を借りて同委員会の皆さまに深く感謝したい。

「2026年度版 実装技術ロードマップ」の目次 「2026年度版 実装技術ロードマップ」の目次。同ロードマップ(PDF版)の購入サイトから抜粋したもの[クリックで拡大]

 シリーズの前回(第4回)では、「第2章 注目される市場と電子機器群」の第2章第2節「2.2 情報通信」の概要説明を始めた。「2.2 情報通信」は、「2.2.1 コンピューティングの分類および動向」と「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」に大別される。

「第2章第2節(2.2) 情報通信」の構成 「第2章第2節(2.2) 情報通信」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)

 「2.2.1 コンピューティングの分類および動向」は序文と、「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」「2.2.1.2 データセンター」「2.2.1.3 量子コンピュータと量子暗号」で構成される。「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」は、「2.2.2.1 モバイルデバイス」「2.2.2.2 メタバースデバイス」「2.2.2.3 5Gミリ波、6G実装動向」に分かれる。前回では「2.2.1」の序文に相当する部分の概要を述べた。今回は「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」の概要をご説明する。

電気配線の性能限界を光配線が突破

 「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」は、(1)〜(6)の6つの項目から成る。電気配線の物理限界、光伝送の利点、光伝送の要素技術、光電融合の技術課題、光電融合のロードマップなどを論じている。

「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」の構成 「2.2.1.1 光伝送技術と光トランシーバ構造」の構成[クリックで拡大] 出所:「2026年度版 実装技術ロードマップ」(PDF版)

 コンピューティングでは従来、電気配線による信号伝送が主流を占めていた。金属導体を伝送媒体とする電気配線は、配線経路の自由度が高く、直並列伝送に容易に対応する。短距離伝送では半導体チップとプリント基板の多層配線、中距離伝送では導体ケーブルが主に使われてきた。

 電気配線の弱点は、伝送距離が延びる、あるいは伝送周波数が高くなると信号品質が劣化することにある。劣化を防ぐ技術にはプリエンファシス(高周波成分を送信側で増幅)やイコライザ(等化器)、クロック・データ・リカバリ(CDR)、クロックバッファ、リタイマーなどがあるものの、いずれも消費電力の増加と送受信回路の複雑化(コストの上昇)を招く。

電気配線と光配線の適用領域比較(距離×帯域) 電気配線と光配線の適用領域比較(距離×帯域)[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会

 そこで特に高い周波数の信号をある程度の長さで伝送する場合、電気信号を光信号に変換し、光信号で伝送すること(光伝送)がコストと消費電力で優位となる。光伝送では、光源であるレーザーの光を、電気信号で駆動する変調器によって光信号に変換する。伝送媒体には光ファイバや光導波路、空間(大気)などがある。

 送信された光信号は、受光素子によって電気信号に変換される。受光素子(フォトダイオード)の一般的な出力は電流なので、インピーダンス変換増幅器(TIA)によって電圧信号に変換する。ここからは電気配線によって信号を伝送・処理する。

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