シリコン量子コンピュータの基盤技術、日立が開発:産業応用や社会実装を加速
日立製作所は、シリコン量子コンピュータの実用化に向けて、配線数の増大を抑えるアーキテクチャ技術と、電子輸送時における量子状態の乱れを抑える制御技術を開発、その有用性を実証した。産業応用や社会実装につながる基盤技術と位置付ける。
日立製作所は2026年8月、シリコン量子コンピュータの実用化に向けて、配線数の増大を抑えるアーキテクチャ技術と、電子輸送時における量子状態の乱れを抑える制御技術を開発、その有用性を実証したと発表した。産業応用や社会実装につながる基盤技術と位置付ける。
日立は、2027年度にクラウド公開、2028年度に100量子ビット級システム、2030年度に1000量子ビット級システムの開発を目指している。これを達成するために課題となるのが「配線数の増大」や、「計算精度の維持」だという。そこで今回、2つの技術を開発した。
その1つがクロスバー構造を応用し複数の量子ビットを共通の配線と制御用ゲートで動かす「共有ゲート型アーキテクチャ」だ。従来の個別ゲート型に比べ、配線数の増大を効果的に抑えることが可能になった。imecの協力を得て300mmウエハープロセスで4×4の16量子ビット配列構造を試作、全ての量子ドット形成と一部の量子ビット操作を実証した。
従来の「個別ゲート型」と今回実証した「共有ゲート型」の構造比較[クリックで拡大] 出所:日立
もう1つは、量子情報を持つ電子を移動させる電子輸送(シャトリング)技術である。電圧信号を位相変調することで電子移動の加速と減速を滑らかに変化させる「電子速度制御技術」を開発した。これにより、電子輸送時に生じる量子状態に乱れを抑え、エラーを低減できる可能性を示した。
従来手法と今回提案した電子速度制御技術の比較[クリックで拡大] 出所:日立
日立とインテル、産総研でシリコン量子コンピュータ研究開発
日立製作所は2026年7月、インテルや産業技術総合研究所(産総研)と協力し、「シリコン量子コンピュータ」の研究開発を始めると発表した。2030年度には1000量子ビット規模の「誤り耐性型シリコン量子コンピュータ」試作機を完成させる計画である。
浮体式データセンター共同開発、商船三井と日立
商船三井と日立製作所、日立システムズは、中古船を改造した浮体式データセンター(FDC)の開発や運用、商用化に関し、共同で取り組むことに基本合意した。2027年以降の稼働を目指す。陸上建屋型データセンターに比べ土地の取得費用が不要で、建設期間も短縮できるなどメリットは多い。
量子コンピュータ開発で天然シリコンが利用可能に、東京科学大
東京科学大学工学院電気電子系の小寺哲夫准教授と久野拓馬博士後期課程学生および、日立製作所らの研究グループは、天然Si-MOS量子ビットにおいて、環境雑音に強い新たな量子ビット制御方式を開発した。位相変調マイクロ波によるConcatenated Continuous Drive(CCD)方式を適用することで実現した。
シリコン材料で量子ビットを高精度に制御、日立
日立製作所は、ノイズが多い環境でも量子ビットを安定動作できる制御技術を東京科学大学と共同開発した。シリコンを用いた量子ビットにマイクロ波を連続照射し、その位相を制御することで実現した。
AI同士の「相性」を会話で見極め、最適チーム自動編成
日立製作所は、AIモデル同士に会話を行わせることで互いの相性を特定し、ハイパフォーマンスなAIチームを自動編成する技術を発表した。複数のAIモデルを連携させて複雑なタスクを解くマルチエージェントシステムにおいて、迅速かつ高度な意思決定や業務効率化を支援するものだ。
新人でも怖くない ベテランに代わって現場を導くメタバースAIエージェント
日立製作所は「CEATEC 2025」に出展し、メタバース空間で現場作業を支援するAIエージェント「Naivy(ナイビー)」を紹介した。手順書や熟練者のノウハウ、現場のリアルタイムデータをもとにチャット形式で作業指示などを行い、非熟練者が単独で作業にあたる際の心理的負担を軽減。知見の継承を容易にする。
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