商船三井と日立製作所、日立システムズは、中古船を改造した浮体式データセンター(FDC)の開発や運用、商用化に関し、共同で取り組むことに基本合意した。2027年以降の稼働を目指す。陸上建屋型データセンターに比べ土地の取得費用が不要で、建設期間も短縮できるなどメリットは多い。
商船三井と日立製作所、日立システムズは2026年3月、中古船を改造した浮体式データセンター(FDC)の開発や運用、商用化に関し、共同で取り組むことに基本合意したと発表した。2027年以降の稼働を目指す。陸上建屋型データセンターに比べ土地の取得費用が不要で、建設期間も短縮できるなどメリットは多い。
生成AIの普及などにより、データセンターの需要は急拡大している。ところが、従来型のデータセンターを新設しようとすれば、大規模な用地の確保、電力や冷却用の水資源確保など、さまざまな課題があった。
そこで今回、データセンターに関する各社の実績や知見、ノウハウを活用し「中古船を改造したFDC」の商用化に向け、需要の検証や基本仕様の策定、運用手順の検討などに取り組むことになった。
3社はFDCのメリットをいくつか挙げた。例えば大都市近郊で大規模な土地を確保する必要がなく、用地の取得費用が不要となる。また、サーバの冷却システムには海水や河川の水を活用できるため、冷却用の電力消費と運用コストを削減できる。
建設期間も短縮できるという。FDCの改造工事は約1年で済む。従来の陸上建屋型データセンターに比べ、開発期間は最大3年も短縮できる見込み。浮体式のため稼働場所を変更することも容易だ。
しかも、中古船を改造して利活用するため、建造に必要な原材料の低減できる。空調や発電機などは既存の船内システムを活用できるため、初期投資の削減が可能となる。利用できるスペースも自動車運搬船だと床面積が約5万4000m2あり、日本最大級の陸上データセンターに匹敵する広さだという。
共同研究において商船三井は、FDC実現に向けこれまで世界各地で取り組んできた実績を基に、「船舶改造の企画と推進、港湾当局などとの協議主導、係留や保守など海上運用の要件整理、資金調達スキームの検討」などを担当。日立製作所と日立システムズは、「データセンターの設計や建設、運用に関わる技術の検討、ネットワークセキュリティなどITインフラ要件の定義、現地知見の活用、顧客要件の整理と顧客開拓の協力」などを担当する予定だ。
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