ASMLジャパンは2001年12月に設立された。現在は全国8カ所に拠点を構え、約500人で国内24カ所の装置導入拠点をサポートしている。さらに顧客に近い場所に全国7カ所、合計2万m2超の倉庫を設け、交換部品などを迅速に供給できる体制を整えている。
今後は「顧客に近接したサポート体制」「成長を支える人材基盤」「エコシステム連携とサプライチェーン強化」の3つに重点的に投資する。
サポート体制では、TSMCの製造子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)の熊本第2工場建設に合わせて熊本拠点(熊本県菊陽町)を拡充する。また、Rapidusが2027年度の量産開始を目指す北海道千歳市でも、人員を増強する方針だ。千歳拠点は2024年の開設当初は約25人体制だったが、現在は約50人まで増えていて、量産に向けてさらに拡大するという。広島をはじめ、他地域での半導体投資にも対応していく。
国内全体では、現在の約500人から2030年度に向けて約700人規模まで組織を拡大する。現在の従業員の4分の3程度はカスタマーサポート関連で、今後も同分野が採用の中心になる。
ただし、単に装置を保守/運用する技術者だけを増やすわけではない。顧客が導入した装置の性能を最大限引き出したり、生産性向上を支援したりする「アプリケーションエンジニア」も拡充する。藤原氏は、先端半導体だけでなく成熟ノード向けの顧客サポートについても体制を強化するとした。
ASMLがもう1つ重視するのが、日本の半導体エコシステムとの連携だ。
日本には半導体メーカーだけでなく、フォトレジストやペリクル、フォトマスク、精密部品、リソグラフィー周辺装置などを手掛ける企業が集積している。藤原氏は日本について「ASMLにとって販売する市場だけではなく、グローバルな技術革新とサプライチェーンを支える重要な市場になっている」と強調。今後、装置/材料メーカーや研究機関との連携に加え、国内調達も深める方針を示した。
今後、競争力を維持する上でも「オープンイノベーション」が重要になるという。露光装置だけが進化しても、レジストやマスクなど周辺技術が同時に進化しなければ量産には使えないので、顧客やサプライヤー、研究機関との協業を続けていく考えだ。
日本では今後、産業技術総合研究所(産総研)で開口数(NA)が大きい高NA EUV露光装置の導入も予定されている。ASMLジャパンとしては、現時点ではまず装置を安定稼働させるためのサポート体制を構築する。最先端技術の研究開発は引き続きオランダを中心に進めるが、研究テーマによっては将来的にASMLジャパンが何らかの機能を担う可能性もあるとした。
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