エイブリックは2026年9月8日、同社のバッテリーレス漏水センサーを用いた漏水モニタリングシステムの実証実験を橋梁で行い、有効性が確認されたと発表した。西日本高速道路エンジニアリング中国(以下、NEXCOエンジニアリング中国)、ビー・ビー・エム(以下、BBM)との共同実験で、社会インフラの課題解決に向けて検証を進める。
エイブリックは2026年9月8日、同社のバッテリーレス漏水センサーを用いた漏水モニタリングシステムの実証実験を橋梁で行い、有効性が確認されたと発表した。高速道路の設計や建設、保守点検などを行う西日本高速道路エンジニアリング中国(以下、NEXCOエンジニアリング中国)、橋梁向け建設資材などを手掛けるビー・ビー・エム(以下、BBM)との共同実験で、同月3日の令和8年度土木学会全国大会では、同実験に基づく学術論文を発表している。
エイブリックのバッテリーレス漏水センサーは、マイクロワットレベルの環境エネルギーで蓄電、昇圧を行い、無線通信を行うための電力を生み出す「CLEAN-Boost技術」を採用した無線式の漏水センサーだ。3滴程度の水がかかると自動で発電し、BLE(Bluetooth Low Energy)で警告を送信する。
今回、約38年間使われている橋梁の補修箇所を対象に、エイブリックのバッテリーレス漏水センサーとBBMの自己融着性シリコンテープによる止水工法(簡易止水工法)を用いて、漏水対策および簡易モニタリングシステムに関する実証実験を実施。2025年5月〜2026年1月の約7カ月間の検証により、同モニタリングシステムが排水管からの漏水の早期発見に有効だという結果を得られたという。
エイブリックの担当者によると「漏水センサー自体は無電源で駆動する一方、受信機側の電源確保が課題になっていた」という。そこでエイブリックは、限られた時間のみ受信機を起動させる「間欠駆動方式」を採用した。
「1日2回、各5分間の起動にしたことで通信品質を維持しつつ、汎用バッテリーのみで約3年間の連続運用が可能だというデータを導き出した。7カ月間の実証実験を通して、梅雨や台風、凍結といった厳しい環境下でも使えることも証明している」(エイブリック担当者)
橋梁を含む国内の社会インフラは老朽化が進行していて、維持管理や点検の効率化、省力化は重要課題になっている。NEXCOエンジニアリング中国がインフラのモニタリングや施工方法の研究を行う中、エイブリックのバッテリーレス漏水センサーの導入を検討したことから、今回の実証実験につながった。
エイブリックはNEXCOエンジニアリング中国と協力して、社会実装に向けて引き続き検証などを進める。具体的には受信機側で5年間の連続運用を目指すとともに、低消費電力かつ長距離通信が可能な通信技術「LoRa」の採用により、さらなる長距離通信対応を進める。2026年9月時点で「LoRa対応受信機は、2027年4〜5月頃の発売を目指して開発中だ」(エイブリック担当者)という。
「社会インフラの老朽化や保守点検の人材不足は、日本に限らず世界的な課題だ。まずはNEXCOエンジニアリング中国との取り組みを進め、将来的には海外も含め、社会インフラ分野に幅広く展開したいと考えている」(エイブリック担当者)
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