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商社×メーカーの2つの顔 TED新社長が語る半導体市場と成長戦略:東京エレクトロン デバイス 社長 宮本隆義氏(2/3 ページ)

» 2026年09月28日 11時00分 公開
[浅井涼,EE Times Japan]

「本当に欲しいものが足りない」 レガシー品の課題

――海外企業との競争も激しくなる中、日本企業の半導体/電子部品の購買力はいかがですか。

宮本氏 一般論として、海外のEMSは同じ製品を大量に生産するケースが多い。それと比べると、分野によっては購買力に差が出る顧客がいるのは事実だと思う。その場合、TEDのような商社が顧客と計画を共有し、サプライヤーと納期などを調整することが重要になる。

 難しいのはレガシー品だ。新しい製品の方が収益性が高いので、メーカーはメモリでいえば広帯域メモリ(HBM)のような最新製品にリソースを割く。その結果、レガシー品に割く製造能力が減っていく。ところが、ユーザー企業にとっては必ずしも最先端のデバイスが必要なわけではないので「本当に欲しいものが足りない」というケースが出てくる。

 今後もレガシー品の製造ラインが増えるとは考えにくいので、供給が増えないことを前提に次の手を打つ必要がある。例えば、新しい部品への設計変更だ。ソフトウェアなども変えなくてはならないので大掛かりな対応になる。特に産業機器では、同じ部品を長く使いたいというニーズが強い。長期供給を前提としてきた設計そのものを変えなければ対応できないケースも出てきている。

 ここで商社に求められるのが、販売終了などの情報をタイムリーに顧客に伝え、対応することだ。サプライヤーからの供給がない場合には、市場に流通しているものを探すこともある。部品の販売終了が分かっていて、その先も顧客が製品を作り続けるのであれば、必要数量を確認して先行して確保することもある。

――勢いを増している中国製の半導体/電子部品に対する日本企業の姿勢はいかがですか。

宮本氏 企業によって大きく異なる。中国メーカーの製造能力は上がっていて、品質も確実に改善しているが、ユーザー企業は地政学上のリスクも考える必要がある。エンティティリストなどの状況が変われば、採用していた製品が急に使えなくなることもある。中国で作って中国で販売する製品に限定して採用することや、中国向けと中国以外向けでサプライチェーンを分けることも1つの方法だろう。

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