名古屋大学や韓国電子通信研究院(ETRI)、国民大学校、国立韓国海洋大学校らによる日韓国際共同研究グループは、Plateau-Rayleigh不安定性が関与する独特な「shell-first」成長モデルを提案するとともに、形成したコア−シェル結晶が光ファイバー通信に用いられるE-band(波長1360〜1460nm)で発光することを確認した。
名古屋大学や韓国電子通信研究院(ETRI)、国民大学校、国立韓国海洋大学校らによる日韓国際共同研究グループは2026年10月、Plateau-Rayleigh不安定性が関与する独特な「shell-first」成長モデルを提案するとともに、形成したコア−シェル結晶が光ファイバー通信に用いられるE-band(波長1360〜1460nm)で発光することを確認したと発表した。
コア−シェル結晶は、中心部のコアをシェルと呼ばれる異なる材料で取り囲んだ結晶である。性質の異なる半導体材料を組み合わせることで、新たな光/電子デバイスへの応用が期待されている。ただ、コアとシェルが形成される過程や光学特性などは、これまで十分に解明されていなかったという。
研究グループは今回、Ge(ゲルマニウム)/SiGe(シリコンゲルマニウム)系半導体とAlN(窒化アルミニウム)を組み合わせたコア−シェル結晶を形成し、電子顕微鏡観察やX線CTを用いて構造解析を行った。これにより、内部が空洞になった構造や、内部にGe/SiGe系材料が部分的に取り込まれた構造、コア−シェル構造など、さまざまな結晶形態を確認した。
研究グループは解析結果に基づき、AlNを含むシェル状構造が先に形成され、その内部にGe/SiGe系材料が取り込まれる「shell-first」成長モデルを提案した。コアが先に形成される従来の過程とは異なるこの成長機構には、Plateau-Rayleigh不安定性が関与しているとみている。
室温でフォトルミネッセンス測定を行い、形成したコア−シェル結晶の光学特性を調べたところ、約1372nm/1377nm/1381nm/1392nmに発光ピークが観測された。これにより、Ge/SiGe-AlNコア−シェル結晶が光通信のE-bandで発光することを確認した。
今回の研究成果は、韓国ETRIのChoi Sunghoon研究員、国民大学校のPark Jun-Seok教授、同大学博士後期課程のWon Joon Bong氏、LNBSのLee Jae Hak教授、Kim Kyoung Hwa研究員、国立韓国海洋大学校のAhn Hyung-Soo教授、同大学博士前期課程のKwon Eunmin氏、Kim Sohee氏、Kim Myungjun氏、Jeong Donghyeon氏および、名古屋大学未来材料・システム研究所の本田杏奈特任講師、本田善央教授、加藤剛志教授らによるものである。
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