九州大学と名古屋大学の研究グループは、微小な液滴を結晶化環境として用いることで、DNA修飾金ナノ粒子(DNA-AuNP)超格子を均一に作製できる技術を開発した。従来手法に比べ結晶サイズのばらつきを約9分の1に抑えた。
九州大学大学院工学研究院の鳥取直友助教や佐久間臣耶准教授、山西陽子教授と、名古屋大学未来材料・システム研究所の田川美穂教授らによる研究グループは2026年8月、微小な液滴を結晶化環境として用いることで、DNA修飾金ナノ粒子(DNA-AuNP)超格子を均一に作製できる技術を開発したと発表した。従来手法に比べ結晶サイズのばらつきを約9分の1に抑えた。
DNA-AuNPは、規則的な3次元構造を形成できる。このため、新たな光学材料やナノデバイスの構成材料として注目されている。特にDNA-AuNPが自己集合化して形成する超格子は、特異な光学特性や機能を発現するという。ところが従来のバッチ法による結晶化では、結晶ごとにサイズや構造にばらつきが生じるため、超格子の特性を安定して引き出すことが難しかった。
研究グループは今回、DNA-AuNPを含む溶液から均一サイズの微小液滴を連続的に生成できる熱制御型液滴マイクロ流体システムを構築した。このシステムで生成した微小な液滴をDNA-AuNPの結晶化環境として用い、65℃から35℃まで毎分0.01℃という遅い速度で冷却。これにより、液滴内におけるDNA-AuNPの自己集合化プロセスを精密に制御した。
この結果、液滴サイズが小さいほど単一結晶体が形成されやすいことが分かった。特に、液滴径が23μm以下であれば、単一結晶体が高い割合で形成されることを確認した。液滴サイズが大きくなると、形成される結晶サイズも大きくなる傾向がある。このことから、液滴サイズに応じて結晶サイズを制御できることも実証した。結晶サイズのばらつきも、従来のバッチ法を用いた場合に比べ大幅に低減できたという。
さらに小角X線散乱測定を行い、規則的な超格子構造が形成されていることと、これが従来法で形成された超格子と同様の結晶構造であることを確認した。
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