アナログ・デバイセズ(ADI)はメディア向け説明会を開催し、電動車(xEV)を取り巻く技術動向や、それに向けた同社の最新ソリューションを紹介した。機能の高度化が進む中「性能を十分に発揮するためには各機能をスムーズに連携させる必要があると考える」とする。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2026年10月23日、メディア向け説明会を開催し、電動車(xEV)を取り巻く技術動向や、それに向けた同社の最新ソリューションを紹介した。
先進運転支援システム(ADAS)の発展やソフトウェア定義型車両(SDV)への変遷、AIの統合、車内エンターテインメントの充実など、電動化に伴い自動車のアーキテクチャは変化している。ADIオートモーティブカスタマーソリューショングループのシニアディレクターを務める沓掛真哉氏は「自動車産業は歴史上で最大の変革期を迎えていて、個々の機能を単純に組み合わせた設計から、機能同士を連携させて自動車全体で判断する設計に変わりつつある」と述べる。
「これからの自動車においては、ソフトウェアの分散とシステム統合の難易度、検証の複雑化が大きな課題になる。ADIでは、自動車の性能を十分に発揮するためには各機能をスムーズに連携させる必要があると考える。映像、オーディオ、データといった異なる通信系統同士を連携させ、統合できるソリューションを提供することで、顧客の開発を支援する」(沓掛氏)
ADASなどの機能においては、カメラからの映像をリアルタイムかつ確実に伝送し続ける必要がある。この要求に対し、ADIはSerDes規格の独自高速伝送技術「GMSL(Gigabit Multimedia Serial Link)」を提供する。
「GSMLはカメラの高精細映像やレーダーのデータを高速かつ低遅延で、確実に伝送できる。また音声や制御信号、電力なども1本のケーブルでまとめて伝送でき、エラー訂正機能も搭載する。ADASの高度化に伴って増え続ける映像データを、中央のプロセッサに確実に届けるための重要な通信技術だ」(沓掛氏)
オーディオ伝送に向けては、UTPケーブル1本でマルチチャンネルのオーディオ信号や制御信号を伝送可能な「A2B(Automotive Audio Bus)」技術を提供する。2026年4月に発表した最新世代「A2B 2.0」は、バス帯域幅を従来の約4倍の最大98.3メガビット/秒(Mbps)に拡大するとともにイーサネットに対応し、より多くのスピーカーやマイクを使った高度な音響体験を可能にしたという。
沓掛氏によると、車載オーディオは定められた設定通りの音響体験を提供するものから周囲の環境や搭乗者に合わせて自動で調整し、常にベストな音響体験を提供するものへと変わりつつあるという。具体例として、ロードノイズや車室内の騒音のキャンセリング技術や、ナビゲーション音声を運転手以外に聞こえなくするような搭乗者ごとのパーソナライズ技術などが開発中で「データを正確に伝える通信、高性能な信号処理、高度な音響処理という3つの技術がリアルタイムで連携することで、こうした新たな車内体験が実現する」(沓掛氏)とする。
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