機能高度化に伴い、自動車のアーキテクチャは機能ごとにマイクロコントローラー(MCU)を用いる「ドメインアーキテクチャ」から、車両をいくつかのゾーンに分割し、司令塔の高性能プロセッサとゾーンごとを制御するマイクロコントローラー(MCU)で全体を統括する「ゾーンアーキテクチャ」への移行が進んでいる。
沓掛氏は、ゾーンアーキテクチャの設計において、ADIの10BASE-T1Sベースの技術「E2B(Ethernet to the edge Bus)」が最適だと述べる。ゾーンアーキテクチャによって車両ネットワークを簡潔にできるうえ、イーサネット技術のため自動車の上層レイヤーを走るイーサネットとの親和性が高く、車両ネットワークとセキュリティシステムを統合した構成が実現できるという。
センシングから通信、情報処理までのスムーズな連携は、車両ネットワークだけでなくバッテリーにも活用できる。そこで活躍するのが電気化学インピーダンス分光法(EIS)だ。
EISは、バッテリーセルに励起電流を印加して得られた電流と電圧からインピーダンスを算出する。それをさまざまな周波数で行いグラフ化することで、温度やチャージ状態など、バッテリーセルの詳細な状態をリアルタイムで監視できる。沓掛氏は「これからの電動化において、EISで得られる詳細な情報を活用して、バッテリー全体を賢く管理していくことが重要になる」とした。
「高度な車両ネットワーク実現のためにはセンサーから通信、演算処理、ソフトウェアまで包括的な技術が必要なため、ADI単独では提供できない。だからこそ、これからの自動車作りには自動車メーカー、半導体メーカー、ソフトウェアメーカーなど、業界全体で協力していくことが大事だ。単に製品を提供するだけではなく、顧客と一緒に課題を考えながら共同開発することで、迅速な製品化をサポートしたい」(沓掛氏)
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