茶谷産業の無機ELは輝度60万cd/m2と非常に明るい。FPD International 2005では蛍光体と組み合わせた白色バックライトなどを展示した。
茶谷産業とクラレは、輝度が60万cd/m2と高い無機EL素子と、この素子を用いた7インチ型の無機ELバックライトを開発、「FPD International 2005」に出展した(図1)。
この無機EL素子の寿命は「輝度を35万cd/m2に保った状態で2.5〜3万時間」(茶谷産業の説明員)と長い。素子の寸法は2mm角、発光効率は15lm/Wである。駆動電圧は「展示品は5.5V程度だが、3V台の試作品もある」(クラレの説明員)。無機EL材料はZnS(硫化亜鉛)をベースにしたものを採用した。
無機ELバックライトの輝度は6500cd/m2。消費電流は100mA以下。バックライトのエッジ部に、無機EL素子を数個並べた方式を採用している。面発光型の開発も行っている。現在は無機EL材料を蒸着で薄膜化しているが、「いずれは印刷によって塗布する方法に切り替える。この方法を実現するために必要なバインダを、クラレを中心に開発している」(茶谷産業の説明員)という。
2006年秋からサンプル出荷を予定しており、「その製品はおそらくバックライトになる。しかし、要望があれば照明用など他の用途にも適用したい」(同社の説明員)。
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