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» 2009年07月10日 17時02分 公開

ザイリンクス社が新世代FPGAの評価キット発売、「入手後すぐにシステム・レベル評価が可能」プログラマブルロジック FPGA

[ITmedia]

 米Xilinx(ザイリンクス)社は、40nm/45nm世代のプロセス技術で製造する新世代FPGAに向けた評価キットを発売した。ハイエンドFPGA「Virtex-6」と低価格FPGA「Spartan-6」それぞれの評価キットである。いずれも、各FPGAを搭載した評価ボードのほか、FPGA開発ツール、参照設計、入門者向けデモ・ソフトウエア、関連ドキュメントなどをまとめた(図1)。

 同社は「ターゲット デザイン プラットフォーム」と呼ぶ戦略を掲げて、特定分野のアプリケーションごとにユーザーのFPGA開発負荷を軽減する各種サポートを提供していくと表明しており、今回の評価キットはその基盤となる「基本プラットフォーム」の構成要素の1つだという。

図1 図1 高性能の新世代FPGA「Virtex-6」の評価キット

 今回の評価キットの特長は2つある。1つ目は、従来に比べてユーザーが短期間で簡単にFPGAを評価できるような工夫を盛り込んだことだ。「従来は、当社やサード・パーティ企業がそれぞれに供給する参照設計をユーザー自身で統合して評価用システムを構築する必要があり、その作業に例えば12週間といった長い期間が費やされていた。今回の評価キットは、こうした作業をあらかじめ当社で済ませてある」(同社でプロダクトマーケティング担当ディレクタを務めるBrent Pryzybus氏)(図2)。このため、大きく分けて次の3つのステップで評価を実行できるという。

図2 図2 評価ボードを掲げる米Xilinx社 プロダクトマーケティング担当ディレクタのBrent Pryzybus氏

 第1ステップは、評価環境を立ち上げる作業である。ユーザーはまず、評価ボードとパソコンの間をUSBケーブルとイーサネット・ケーブルでつなぐ。パソコンにはFPGA開発ツール「ISE(Integrated Software Environment) Design Suite 11.2」をインストールすると共に、参照設計を読み込んでおく。次に、評価ボードの電源を投入する。さらに、パソコン側で「ベース リファレンス デザイン インターフェイス」と呼ぶツールを起動する。このツール上で評価ボードを呼び出してネットワーク接続を確保すれば完了である。

 第2ステップでは、参照設計を利用してFPGAを評価する。例えば、低価格FPGA向け評価キットには、あらかじめ画像処理アルゴリズムの参照設計が実装されている。このためユーザーは、ベース リファレンス デザイン インターフェイス上で画像データ・ファイルを指定して評価ボードに転送し、直ちに画像処理効果を確認可能だ。さらに、画像処理の効果やデジタル・フィルタ・タップ数を変更したり、そのアルゴリズムをFPGAのユーザー・ロジックとハード・マクロとして集積したDSPブロックのどちらを使って実装するかを選択することもできる。こうして、画像処理に要する時間(処理性能)をさまざまな条件で評価可能である。第1ステップからここまでは、数十分程度で済む。

 第3ステップでは、第2ステップの評価結果を踏まえて設計内容をカスタマイズすることで、設計上のトレード・オフをより詳細に検証する。まずFPGA設計ツールを起動して、参照設計の設計データを呼び出す。ここでは設計データのソース・コードをカスタマイズできるため、例えば、FPGAの汎用入出力ポートを制御して、評価ボード上のボタン・スイッチの操作に応じて画像処理効果を切り替える機能を追加できる。さらに、設計実装リソースの消費量を確認することも可能だ。例えば、画像処理アルゴリズムをユーザー・ロジックとDSPブロックそれぞれを利用して実装した場合のリソース消費量を比較して、トレード・オフの関係にある処理性能とリソース消費量の最適化を図れる。

 今回の評価キットの2番目の特長は、評価ボードに拡張性を持たせることで、同じ評価ボードを特定分野のアプリケーションに向けたFPGAの評価に使えるようにしたことである。具体的には、FMC(FPGA Mezzanine Card)規格に準拠したコネクタをハイエンドFPGA向け評価ボードは2個、低価格FPGA向け評価ボードは1個備えており、ドーター・ボードを取り付けることで評価ボードの機能を拡張できる。同社は今後、デジタル信号処理や組み込みプロセッシング、高速シリアル・インターフェースといった特定の機能を強化するドーター・ボードを用意する計画だ。それらを搭載した評価ボードで利用可能な参照設計も準備する。例えば、「無線通信アプリケーションに向けて、デジタル信号処理を利用した周波数アップ・コンバータやダウン・コンバータなどを用意する」(同氏)という。

 低価格FPGA向け評価キットの品名は「Spartan-6 FPGA SP601 評価キット」。評価ボードには、約1万6000個のユーザー・ロジックを集積する低価格FPGA「Spartan-6LX16」を搭載した。価格は295米ドル。すでに受注を始めている。ハイエンドFPGA向け評価キット「Virtex-6 FPGA ML605 評価キット」は、約24万個のユーザー・ロジックを集積する高性能FPGA「Virtex-6 LX240T」を評価ボードに搭載した。価格は1995米ドル。2009年7月に受注を開始する。

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