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マイクロソフト、Windows Server 2008 R2の製品体系を発表組み込み技術

» 2009年08月06日 17時24分 公開
[山口哲弘,EE Times Japan]

 マイクロソフトは2009年8月6日、サーバー向けの次期OS「Windows Server 2008 R2」の製品体系と参考価格を発表した。中小企業向けの「Foundation」から大規模データセンター向けの「Datacenter」まで6つのエディションを用意し、ボリューム・ライセンスでは同年9月1日から、パッケージ版は同年10月22日から提供する。同時に、仮想化市場を2倍、Datacenterの売上高を3倍、中小企業向けサーバー市場を4倍にするという販売戦略も明らかにした。

 同社のサーバープラットフォームビジネス本部業務執行役員本部長を務める五十嵐光喜氏は、最近5年間の国内サーバー市場に占めるx86サーバーの割合の伸びが大きいことを例に挙げ、今後ますますx86サーバーが増え、x86がデータセンターを支える技術になるとした。

図1 図1 マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部業務執行役員本部長を務める五十嵐光喜氏

 さらに、これまでのような社内設置に加えて今後はクラウドの利用が進み、サーバーへの需要は増加傾向にあるとした。そのため、社内設置からクラウドまで、同一アーキテクチャでシームレスに対応可能なWindows Server 2008 R2の優位性を訴求した。

 Windows Server 2008 R2の主な強化点は、仮想化やセキュリティ、生産性向上に関するユーザー・ニーズに基づいたものと、最大256個の論理プロセッサに対応するなどデータセンター向けの基本機能に関する点に分けられる。例えば仮想化に関しては、OSに標準で組み込まれる仮想化ソフトウエア「Hyper-V 2.0」を、「Live Migration」と「CoreParking」に対応させた。Live Migrationとは、ある物理サーバー機上で稼働中の仮想マシンを、止めることなく別の物理サーバー機上に移動させる機能である。柔軟性の高いサーバー運用を可能にする。一方のCoreParkingは、マルチコア・プロセッサが備える各コアを、プロセッサの負荷状況に応じて停止させる機能である。従来は、負荷が低くてもコアをアイドル状態で動かしていた。これによってサーバー機の消費電力を約20%削減できるという。ハードウエアを直接制御する機能だが、Hyper-V 2.0を利用した仮想化環境でも機能するという。

図2 図2 Windows Server 2008 R2の主な強化点
図3 図3 富士通のFoundationプレインストール機
期間限定で7万9800円で販売する。

 Windows Server 2008 R2の各エディションの特徴と価格は以下の通りである。なお、Windows Server 2008 R2では64ビット版のみが提供され、32ビット版はない。

 ●Windows Server 2008 R2 Datacenter

 最大64個のプロセッサと最大2Tバイトの物理メモリーに対応し、最大16ノードのクラスタリング構成が可能。実行可能な仮想マシンの数に制限がない。ボリューム・ライセンス(Open Business)の参考価格は、サーバー機の台数には関係なく、1CPU当たり46万3000円である。

 ●Windows Server 2008 R2 Enterprise

 最大8個のプロセッサと最大2Tバイトの物理メモリーに対応する。実行可能な仮想マシンの数は4つ。ボリューム・ライセンス(Open Business)の参考価格は45万4000円。パッケージ版の参考価格は、25CAL(Client Access License)付きで、72万円である。

 ●Windows Server 2008 R2 Standard

 最大4個のプロセッサと最大32Gバイトの物理メモリーに対応する。実行可能な仮想マシンの数は1つ。ボリューム・ライセンス(Open Business)の参考価格は14万円。パッケージ版の参考価格は、5CAL(Client Access License)付きで、18万8000円である。

 ●Windows Server 2008 R2 Foundation

 15名以下の中小企業向けのエディション。Hyper-V 2.0は含まれない。提供形態は、サーバー機へのプリインストールのみである。なお富士通は、2009年9月30日までの期間限定で、Windows Server 2008 R2 Foundationをプレインストールした「PRIMERGY TX100S1」を7万9800円で販売する。

 ●Windows Server 2008 R2 for Itanium-based Systems

 IA64に向けたエディションで、最大64個のプロセッサと最大2Tバイトの物理メモリーに対応する。実行可能な仮想マシンの数に制限はないが、IA64向けにはHyper-V 2.0が提供されないので、別途仮想化ソフトウエアを用意する必要がある。ボリューム・ライセンス(Open Business)の参考価格は46万3000円である。

 ●Windows Web Server 2008 R2

 ウェブ・サーバー専用のエディションで、最大4個のプロセッサと最大32Gバイトの物理メモリーに対応する。Hyper-V 2.0は含まれない。ボリューム・ライセンス(Open Business)の参考価格は7万7500円。パッケージ版の参考価格は8万5800円である。

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