東京化成工業は、産業技術総合研究所(産総研)とAIST Solutionsが開発したペロブスカイト太陽電池向け材料「OA-TFSI」を製品化し、一般販売を始めた。ペロブスカイト太陽電池の正孔輸送材料の原料溶液に添加すれば、太陽電池の性能を向上できる。
産業技術総合研究所(産総研)とAIST Solutionsは2026年2月、開発したペロブスカイト太陽電池向け材料「OA-TFSI」を東京化成工業が製品化し、一般販売を始めたと発表した。ペロブスカイト太陽電池の正孔輸送材料の原料溶液に添加すれば、太陽電池の性能を向上できる。
産総研は、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、さまざまな材料開発に取り組んでいる。正孔輸送層に関わる材料もその1つだ。今回開発した「OA-TFSI」は、イオン液体とも呼ばれる材料だ。正孔輸送材料溶液に添加すれば、ペロブスカイト太陽電池の効率や耐久性を向上できるという。
この効果は、TFSIと呼ばれる陰イオンが正孔輸送材料と反応し、正孔輸送層の機能を高めることによって、正孔を取り出しやすくする。しかも、陽イオンのOAがペロブスカイト材料と反応し、ペロブスカイト層の表面が水をはじくようになる。こうした効果によって、ペロブスカイト太陽電池は変換効率が向上し、耐湿性も改善されるという。
ペロブスカイト太陽電池は、原料となる溶液を塗布して製造する。このため、結晶シリコン太陽電池に比べると簡便かつ低コストで生産できる。曲げなどのひずみにも強く、設置できる場所も増える。ただ、実用化に向けては高い光電変換効率と優れた耐久性を両立させる必要がある。
ところが、正孔輸送材料を機能させるために用いる添加剤はこれまで、時間がたつとペロブスカイト層を劣化させて耐久性が低下するなどの課題があった。開発したOA-TFSIはこうした課題を解決するために開発した。
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