TrendForceによると、AIブームによる需要増および供給制約と価格上昇を背景に、2026年のメモリ市場の市場規模は前年比134%増の5516億米ドルに達し、ファウンドリー市場の2倍以上になる見込みだという。
台湾の市場調査会社TrendForceは2026年2月9日(台湾時間)、AIブームによる需要増および供給制約と価格上昇を背景に、2026年のメモリ市場の市場規模は前年比134%増の5516億米ドルに達し、ファウンドリー市場の2倍以上になるという予測を発表した。
TrendForceによると、AIブームを背景に、メモリ市場とファウンドリー市場の双方が2026年に過去最高の売上高を記録する見通しだという。ファウンドリー市場は前年比25%増の2187億米ドルに成長すると予測されている。一方でメモリ市場は、供給制約と価格上昇を背景に、ファウンドリー市場の2倍以上となる、同134%増の5516億米ドルに急成長する見込みだ。
TrendForceは発表の中でクラウドデータセンター投資を背景に2017〜2019年に発生した前回のメモリスーパーサイクルに触れたうえで、今回のAI主導のサイクルは「供給面の制約がより厳しく、構造的にも引き締まった状況にある」と言及。AI産業がモデル学習から大規模推論へと移行する中、リアルタイム応答性や効率的なデータアクセスへの要求が高まっていて、高容量かつ高帯域幅のDRAMに対するサーバ需要が持続的に拡大。これに伴いサーバ1台当たりのメモリ搭載量も増加しているという。
また、今回のサイクルを特徴付ける要素として、高性能ストレージ需要の拡大も挙げ、「NVIDIAが推進する『Vera Rubin』プラットフォームは、エンタープライズSSDの重要性を高めている。トークン生成性能を最適化しつつコスト効率を確保するため、事業者は大容量データアクセスに対応可能なQLC方式の大容量SSDを活用する動きを強めている」と説明している。
TrendForceはまた、過去のサイクルとの大きな違いとして、需要をけん引する主体の変化にも言及している。具体的には前回はエンドデバイスメーカーが中心であったのに対し、今回はクラウドサービスプロバイダー(CSP)が主役となっている点だ。同社は「CSPの調達数量は指数関数的に拡大していて、かつ価格に対する感応度が比較的低いことから、前回のスーパーサイクルを上回る水準の価格上昇が可能になっている」と分析している。
もちろん、ファウンドリー市場もAIチップ需要の拡大によって大きな恩恵を受けている。ただし、その売上高の伸びはメモリ市場ほど急激ではない。TrendForceはその理由として、産業構造と価格形成メカニズムの違いを挙げている。「先端ノードは非常に単価が高く、近年の業界成長を支えてきた。しかし、高度な技術障壁と巨額の設備投資が必要なため、供給企業は限られていて、生産能力の拡張ペースは抑制されている」(同社)
また、ファウンドリー市場では、全体の生産能力のうち成熟ノードが約70〜80%を占め、先端ノードは約20〜30%にとどまっているという。このため、先端プロセスが高価格であっても売上高全体への寄与は限定的になる。さらに、ファウンドリー事業は長期契約を前提とした取引が多く、メモリ市場と比べて価格変動が起こりにくいとも分析している。
生産能力拡張の柔軟性も、両市場の差を広げる要因だ。メモリメーカーは標準化された製品を中心に生産しているのに対し、成熟ノードを扱うファウンドリーは、28nmから90nm超まで幅広いプロセス技術への対応が求められる。また、メモリはロジック半導体よりも必要なマスク層数が少なく、設備投資を生産量に効率よく転換できるという。
TrendForceは「AIブームが今後も勢いを増し、供給不足が短期的に解消される可能性は低いことから、メモリメーカーは強い価格決定力を維持するだろう。需給ギャップが続く中で、平均販売価格(ASP)の上昇を背景に、メモリ市場の売上高成長はファウンドリー市場を上回ると予測される」と述べている。
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