米Microsoft(マイクロソフト)社は現在、同社の検索エンジン「Bing」用のデータ・センターのために働くソフトウエア開発部門のシニア・エンジニアを募集中だ。そして、Bingのデータ・センターには、ARMプロセッサを搭載したサーバーが入る可能性がある。
求人広告にある応募資格を見ると、「エンジニアとして最低5年の職務経験を持つ」という条件がある。また、2つの学位を取得していることが望ましいという。採用が決まったら、米国ワシントン州ベルビューに拠点を持つ「Bing Autopilot Hardware」開発チームで勤務するとある。
この開発チームは、様々な任務を負っているが、特にデータ・センターの設計やSSD(Solid State drive)などのハードウエアの検証、関係するパートナー企業との連携などに重点を置いている。そして、この開発チームの業務の中に、ARMプロセッサの検証、評価という項目が入っている。
ARMプロセッサは、ハード・ディスク装置のコントローラとして採用されることが多いが、今回の人材広告はむしろ、サーバーの消費電力削減を狙ってARMプロセッサを搭載したサーバーを開発することを暗示するような内容だ。
募集要項の言葉を引用すると、この職を得たエンジニアは、「開発チームで使うハードウエアの構成を決定する権限を持つ」ようになる。募集要項にはさらに、この職を得たエンジニアの重要な職務の1つが「消費電力量の管理」であるとも書かれている。エンジニアは、「当社の検索エンジンを支えるデータ・センターであるMicrosoft Search Data Center内にある電源設備を分析、監視、制御し、単位面積当たりに設置できるサーバーの数を最大化すること」が求められる。もちろん、データ・センター当たりに許される消費電力量は決まっており、その範囲でこの任務を実行することになる。
2009年2月の報道によると、Microsoft社は、米Intel社のネットブック向けプロセッサ「Atom」を使って、消費電力量が少なく、環境に優しいデータ・センターを作ろうとしていた。その報道では、「Atomの性能はIntel社のほかのプロセッサに比べて劣っているため、必要最低限の計算処理をさせるためには、さらに多くのプロセッサを搭載する必要がある。チップ1個当たりの消費電力量が少なくても、無数のチップが必要になるとしたら、消費電力の削減など実現できるはずがない」という点が論じられていた。
Microsoft社は求人広告の中で、開発チーム「Bing Autopilot Hardware」について、様々なオンライン・アプリケーションを稼働させている10万台以上のサーバーに向けて、基盤となるようなソフトウエアの設計と構築を手掛けていると説明している。
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