米Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)社は、画素数が2500万画素でフレーム速度が53フレーム/秒と高いCMOSイメージセンサー「VITA 25K」を開発した(図1)。すでにサンプル出荷を開始しており、2011年上半期(1月〜6月)に量産出荷を始める予定である。検査装置や自動制御交通システムなど、ハイエンドのマシンビジョンに向ける。
有効画素数は5120×5120画素。画素寸法は4.5μm×4.5μm。光学フォーマットは35mm。出力インターフェイスは620Mビット/秒動作のLVDSを32チャネル集積しており、総帯域幅は約20Gビット/秒に達する。「スループットは業界最高だ」(同社)。これだけのスループットがあれば4K2K(約4000×2000画素)の映像を120フレーム/秒で出力できることから、「次世代の放送用ビデオカメラにも使える」(日本サイプレス)という。
分解能が10ビットのA-D変換器を集積した。パイプライン方式のグローバルシャッター機能を備える。ローリングシャッターとは異なり、画素情報の読み出し中にも露光できるため、動きのある対象物を撮影する際のぼやけを抑えられる。ただし相関2重サンプリング(CDS)を使うローリングシャッター・モードも用意しており、それに切り替えればダイナミックレンジを広げることが可能だ。
消費電力は2.5W。動作温度範囲は0℃〜70℃。価格は顧客ごとに個別に対応するとして明らかにしていない。
なおこの2500万画素品は、同社が2010年6月初旬に発表したCMOSイメージセンサー製品群「VITA」の最上位品である。同製品群にはこのほか、130万画素品と200万画素品、500万画素品が用意されている。
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