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» 2010年06月24日 16時14分 公開

フリースケールがARMコア搭載マイコンを発表、アナログ混載で信号処理機能強化を狙うプロセッサ/マイコン ARMマイコン

[笹田仁,EE Times Japan]

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2010年6月23日、英ARM社の「Cortex-M4」をコアとして採用したマイクロコントローラーの新製品「Kinetis」シリーズを発表した。A-D変換器などのアナログ回路も混載している点が特徴。

 Kinetisシリーズは、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンおよび、米国本社であるFreescale Semiconductor社としては初となるARMコアを搭載したマイクロコントローラーだ。

 Freescale Semiconductor社は、独自アーキテクチャの32ビットマイクロコントローラー「ColdFire」シリーズを製品化している。ColdFireもKinetisも32ビットのマイクロコントローラーであり、用途も似ているが、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンの代表取締役専務を務める伊南恒志氏(図1)は、「顧客の要望は多様化しており、ColdFireでなくARMコアのマイクロコントローラーを求める声が強くなっている。ARMコアのマイクロコントローラーはもはや無視できない存在になった」とKinetisシリーズ製品化の背景を語った。

図1 図1 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンの代表取締役専務である伊南恒志氏
顧客の要望に応えてARMコアのマイクロコントローラーを用意したと語った。
図2 図2 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンのマーケティング本部でインダストリアルマーケティング担当マネージャーを務める喜須海統雄氏
アナログ回路を混載することで、Cortex-M4の信号処理機能を活用すると語った。

 アナログ回路混載でDSP機能を生かす

 KinetisシリーズのコアであるCortex-M4はDSP機能を搭載しており、信号処理で高性能を発揮する。フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンのマーケティング本部でインダストリアルマーケティング担当マネジャーを務める喜須海統雄氏(図2)は、「各種アナログ回路を混載したのは、Cortex-M4の信号処理機能を生かすためだ」と語る。

 Kinetisシリーズが搭載するアナログ回路としては、A-D変換器、D-A変換器、ゲインアンプ、コンパレータ(比較器)、タッチセンサー制御機能が挙げられる。このうちA-D変換器は16ビットの精度で動作する逐次比較型A-D変換器を採用した。喜須海氏によると、「比較的容易に製造できるΔΣ型A-D変換器を搭載しているマイクロコントローラーは他社も発売しているが、Kinetisシリーズでは信号処理性能を高めることを狙ったため、より高速に動作する逐次比較型を採用した」という。

 さらに、マイクロコントローラー内部での信号のやり取りを高速化するために、マイクロコントローラーの一部の機能ブロックをクロスバスイッチで接続した。

 Kinetisシリーズには「K70」、「K60」、「K50」、「K40」、「K30」、「K20」、「K10」の7種類の製品ファミリがあり、それぞれUSBコントローラや液晶ディスプレイコントローラ、NAND型フラッシュメモリのコントローラなどの機能の有無によって分けられる。また、それぞれの製品ファミリも、内蔵するフラッシュメモリの容量によって複数の製品に分けられる。フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、合計で200以上の製品を投入する予定だ。

 Kinetisシリーズは90nm製造技術で生産する。サンプル出荷は2010年下半期に開始予定、量産開始は2011年初旬を予定している。

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