ノキア シーメンス ネットワークス(NSN)はインドのバンガロールで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式を適用したLTE(Long Term Evolution)の標準規格「TD-LTE」のデモをインドのブロードバンド用周波数帯を用いて披露した。このデモでは、市販のハードウエアに第4世代(4G)の無線技術を実装し、2.3GHzの周波数帯を利用して20MHz帯域幅の通信を実演してみせた。
ノキア シーメンスの幹部は、今回のデモが2.3GHzのTD-LTEの商用化に向けて前進する上でのマイルストーンになると述べている。また同社は、高解像度ビデオのストリーミングや3方向対応のビデオ会議などのデモも行なった。
ノキア シーメンスのインド事業部門を率いるUrs Pennanen氏は、発表資料の中で、「今回のデモは、インドでTD-LTEのエコシステムを構築する上で、重要なマイルストーンとなる。TD-LTEをブロードバンド無線アクセス用の周波数帯に用いれば、通信事業者は一般大衆に向けて音声やデータのサービスを提供できるようになるため、TD-LTEの実用化は、この国にとって重要な意味を持つ」と述べた。
また、同社のモバイル営業部門を率いるJuha Lappalainen氏は、「ペア/非ペアの周波数帯のTD-LTEをグローバルに普及させる上で、インドは重要な役割を担う。当社は、インドがTD-LTEをけん引する市場になると確信している」と付け加えた。
インド政府が2010年6月に行った無線周波数帯の入札では、11の企業が参加して85億米ドルの値が付いた。ノキア シーメンスが今回実施したTD-LTEのデモは、この入札を落札した企業に向けたものである。
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