市場調査会社のアイサプライによると、2010年は民生機器市場と半導体市場が回復を見せているという。
同社は、2010年の民生機器市場の売り上げは2590億米ドルに達すると予測する。3%を上回る下落を記録した前年の落ち込みを、ほぼ取り戻せる見通しだ。同市場は来年以降も上昇を続け、2011年は対前年比6.7%増、2012年は同7%増を記録すると予想される。しかし、その後は増加ペースが鈍化し、2013年は対前年比1.2%増、2014年は同0.6%増にとどまる見込みだという。
一方、2010年の民生機器向け半導体市場の売り上げは、前年の448億米ドルから27.7%増となる572億米ドルに上ると予想され、15.7%もの減収となった2009年から劇的な回復を遂げることになりそうだ。上昇傾向は今後数年間にわたって続くとみられ、2014年には694億米ドルに達する見込みだという。
アイサプライのコンシューマプラットフォーム部門で主席アナリストを務めるJordan Selburn氏は、「民生機器市場では現在、液晶テレビやBlu-rayプレーヤなどの高価値製品の大量生産によって、売り上げ規模の増加に拍車がかかっている」と解説する。さらに、「半導体企業は、高価値の民生機器のデザインウィンを1つ獲得すれば、その製品の生産期間中に1億米ドル以上の売り上げが見込める」(同氏)という。
ただし同氏によれば、最先端の特定用途向け半導体(ASIC)は開発コストが上昇の一途をたどっており、1000万米ドル〜2000万米ドルもの巨額の費用が必要となる。こうした現状の下、比較的小規模のティア2(第2階層)やティア3(第3階層)の企業では、最先端の半導体を製造することがますます難しくなっている。
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