全米家電協会(CEA:Consumer Electronics Association)は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで2010年10月17日〜22日の日程で「Industry Forum」を開催した。さまざまな標準規格が検討され、消費者向け機器のアクセス性を高めたり、ワイヤレス給電の効率を測定したり、3D映像をBluetoothで送信したりするための標準規格も議論の対象になった。
CEAは、すでにワーキンググループを発足させて、機器のアクセス性に関する標準規格を検討している。米国議会による法案の作成に先行することが、この取り組みの大きな狙いだ。
電話やテレビ放送サービスのアクセス性に関しては、すでに策定されている法律がある。しかし、VoIP(Voice over IP)やウェブビデオなどの利用が増加していることから、それらの基本的なサービスに対するアクセス性の意味合いを法律的に再検討する必要性が高まってきた。
CEAで規格/技術担当のバイスプレジデントを務めるBrian Markwalter氏は、「検討が必要な課題の多くは、ネット上のサービスへの移行に関するものだ。米国連邦通信委員会(FCC:Federal Communication Commission)は、新しい規制を策定する必要がある」と述べている。
一方、CEAの別のワーキンググループは、3D立体視眼鏡に関する規格を2010年11月に完成させたい考えだ。現在は、3Dデータの無線送信に関する標準規格を策定すべきかについて検討しているところで、ブロードコムはBluetoothの利用を提案している。
さらに別の新しいワーキンググループは、ワイヤレス給電に対応する製品の効率を測定するための標準規格を策定する。すでにワイヤレス給電に対応した製品の出荷は始まっているが、さまざまな方式が混在しており、「消費者が各製品の効率を評価するための手段がない」(Markwalter氏)という状況だ。
このグループはさらに、機器と充電用パッドを近接させる必要がないワイヤレス給電方式についても、標準規格の策定を検討しているという。
今回のIndustry Forumでは、ほかにもさまざまな規格策定グループによるミーティングやパネルディスカッションが行われた。トピックは、デジタルテレビのインターフェイスから家庭内ネットワーク、車載用電子機器、スマートグリッドに至るまで、多岐にわたった。
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