半導体ファウンドリ最大手のTSMCが、太陽電池製品とLED製品の立ち上げ準備を着実に進めている。
半導体ファウンドリ最大手のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が、太陽電池製品とLED製品の立ち上げ準備を着実に進めている。同社は、これらの分野で子会社を設立する計画も検討している。
TSMCは、TSMC Solar North Americaに対する500万米ドルの追加資本注入を承認している。また同社の取締役会では、生産能力の拡大とファブ建設のためとして、29億米ドルの資本割当も承認されている。
同社のシニアバイスプレジデントで最高財務責任者(CFO)を務めるLora Ho氏は、発表資料の中で、「TSMCの戦略的計画の一環として、当社の取締役会は、太陽電池事業とLED事業で100%出資の子会社を2社、設立することも検討している」と述べている。
すでに報じられているように、TSMCは、2009年に太陽電池とLEDの分野に別々に踏み込んでいる。同社はこれらの分野での製品を自社ブランドで販売する予定であり、これは、同社の旧来のファウンドリ戦略からの大きな飛躍となる。
TSMCは、薄膜太陽電池のベンダーであるStionや、結晶系Si(シリコン)太陽電池を製造するMotech Industriesに対して戦略的投資を行い、提携関係を結んでいる。
TSMC Solarは、2011年初めにはドイツと欧州のその他の主な市場で、結晶系Si太陽電池モジュールを発売する予定だ。これらのモジュールは、Centrosolar GroupがTSMC Solar向けにドイツ国内で設計、製造する。
TSMCによれば、「TSMC Solarは、世界の太陽電池市場向けに、自社の施設でCIGS(銅インジウムガリウムセレン)薄膜モジュールを製造して提供する予定だ。製造能力は今後3〜5年の間に1GW(ギガワット)に達するだろう。最初の製造施設の建設は、2010年9月16日に台湾の台中で始まった。この施設は、TSMC Solarの薄膜R&Dセンター(TSMC Solar Thin-Film R&D Center)およびファブとして着工されたものだ」と言う。
TSMCは、「当社はこの施設に対し、第1フェーズ向けに2億5800万米ドルの投資を計画している。この施設は、2012年第1四半期には量産体制に入る予定であり、2012年末までには、薄膜太陽電池モジュールを年間200MW(メガワット)に達する規模で大量生産する。第2フェーズでは5.2ヘクタールに及ぶ施設を建造する予定で、それによって生産量は700MW以上に拡大されるだろう」と述べている。
一方、LED事業についてTSMCは、「当社は自社のファブで製造したLEDを、世界の市場に向けて提供する。このLEDファブは、台湾の新竹サイエンスパーク(Hsinchu Science Park)内にある。当社は、この施設の第1フェーズを完了させるために8000万米ドルを投資しており、2010年9月には最初の製造装置を搬入した。2011年後半には量産を開始する計画である」と述べている。
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