ウォルフソン・マイクロエレクトロニクスは、同社として初となるオーディオ処理用DSP「WM0010」を発売し、オーディオDSPの市場に参入した。
ウォルフソン・マイクロエレクトロニクスは、同社として初となるオーディオ処理用DSP「WM0010」を発売し、オーディオDSPの市場に参入した(図1)。
同社はオーディオ用のコーデックICやアンプICを主力製品とする半導体ベンダーだが、これまでオーディオ処理に特化した単体のDSPは手掛けていなかった。DSPを製品化することで、オーディオ関連の製品群を拡充した。オーディオ処理用DSPを開発していることを2010年11月に明らかにしており、今回製品化を正式に発表したことになる。
対象用途は、スマートフォンやタブレットPC、テレビなど。高音質と低消費電力化を両立させたことが特徴である。高音質の観点では、「SoundStage」と呼ぶ独自の音響効果ソフトウエアを用意した。例えば、5.1チャネルやステレオのオーディオを、ヘッドホンや小型スピーカで臨場感を維持したまま聞かせる3Dサラウンド処理「Virtual Surround Sound」や、低音成分を強調する「HD Bass」、高音成分の明瞭(めいりょう)度を高める「HD Treble」などがある。機器メーカー独自の音響効果処理ソフトウエアも利用できる。
低消費電力化の観点では、詳細は明らかにしないものの、システムのアプリケーションプロセッサをできるだけ長い時間スリープ状態にする仕組みを用意したことで、システム全体の消費電力を削減したという。
雑音を抑制する機能を多く搭載したことも特徴である。例えば、スマートフォンのマイクで集音した音声に含まれる雑音成分を最大32dB、抑制する。この他、AEC(アコースティックエコーキャンセレーション)機能や、VoIPアプリケーションを対象に複数マイクを使ったビームフォーミング機能などを用意した。
パッケージは、寸法が4.01mm×3.436mmのWCSP。すでにサンプル出荷を開始している。価格は公表していない。
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