中国首位の乗用車メーカーであるChery Automobile(奇瑞汽車)は2011年3月15日、同社の自動車に搭載するマイコンを32ビット品に移行すると発表した。これにより、燃料効率と安全性の向上と排気ガスの削減を目指す。
中国首位の乗用車メーカーであるChery Automobile(奇瑞汽車)は2011年3月15日、同社の自動車に搭載するマイコンを32ビット品に移行すると発表した。これにより、燃料効率と安全性の向上と排気ガスの削減を目指す。Chery Automobileは次世代モデルに、フリースケール・セミコンダクタの車載向け32ビットマイコン「Qorivva MPC563x」を搭載するという。
フリースケールのマイクロコントローラ・ソリューション・グループでマーケティングおよびビジネスディベロップメント担当マネジャーを務めるAndy Macleod氏によれば、Chery Automobileの燃料噴射システム「Chery Engine Management System」には、フリースケールの16ビットマイコン「S12XE」が搭載されているという。Macleod氏は、「この16ビット品からQorivvaに移行することで、Chery Automobileは32ビットのPowerアーキテクチャを活用して、自動車の性能を向上できる」と述べている。なお、Qorivva搭載モデルは、2012年に製造を開始する計画だという。
フリースケールは2010年8月に、中国最大の商用車メーカーであるBeiqi Foton Motorと共同で、より環境にやさしく、安全性の高い商用車の実現を目指し、Beiqi Foton Motor向けにカスタマイズしたPowerアーキテクチャの32ビットマイクロプロセッサを開発すると発表していた。また、フリースケールは2008年に、Chery Automobileとの共同研究施設(安徽省蕪湖県)も開設している。今回、中国最大の乗用車メーカーであるChery Automobileが32ビットマイコンを採用することで、中国ではPowerアーキテクチャのマイコンが車載用プロセッサの市場で支配的な地位を獲得することになる。
China Association of Automobile Manufacturers(中国汽車工業協会)によると、中国は現在、世界最大の自動車市場であり、2010年の販売台数は1800万台を記録したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.