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モバイル機器向けの圧力センサーIC、30cmの分解能を実現センシング技術 圧力センサー

高層ビルやショッピングモールなどにおいて、モバイル機器の所持者が何階にいるのかなど、より多くの位置情報を提供するサービスの実現に貢献できる。

» 2011年07月14日 19時16分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 Freescale Semiconductorは2011年7月、圧力センサーIC「Xtrinsic(エクストリンシック) MPL3115A2」を発表した。主に、スマートホンやタブレット端末などのモバイル機器において、高度に関するデータを用いるような位置情報サービスの用途に向ける。圧力センサーはMEMS(Micro-ElectroMechanical System)技術を用いており、測定範囲は50kPa〜110kPaとなっている。また、分解能が24ビットのA-Dコンバータを搭載することにより、30cmという分解能での高度検知を実現している。Freescaleは、高層ビルやショッピングモールなどにおいて、モバイル機器の所持者が何階にいるのかなど、より多くの位置情報を提供するサービスの実現に貢献できるとしている。すでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2011年第3四半期を予定している。1万個購入時の参考単価は1.50米ドル。

 MPL3115A2は、圧力データと温度データのアナログ信号をデジタル信号に変換する処理を同ICの内部で行うので、アプリケーションプロセッサに割り当てられる演算処理の量を抑えることができる。このため、プロセッサ上で圧力データや温度データを処理するタイプの圧力センサーを用いたシステムに比べて、消費電力を削減できるという。また、MPL3115A2は、FIFO(First-in, First-out)メモリーを搭載していることに加え、消費電流が2μAのスタンバイモードや、同8.5μAの低消費電力モードも備えている。これらの機能により、プロセッサや出力データレートの状況に応じて消費電流を抑えることができる。

 MPL3115A2の電源電圧範囲は1.95V〜3.6V。I2Cのインタフェースを備える。動作温度範囲は−40〜85℃。外形寸法が5.0mm×3.0mm×1.1mmのLGAパッケージで供給される。

 なおFreescaleでは、2011年第3四半期に、開発ボード「KITSTBMPL3115A2」の出荷を開始する予定である。参考価格は75米ドルとなっている。

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