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アジアと北米の太陽光発電市場、発電量は増加も売上高は横ばいビジネスニュース 市場予測

Lux Researchによると、アジアと北米の太陽光発電市場は、発電量の増加は見込まれるものの、売上高は横ばいだという。また、日本、中国、インドでは太陽光発電による発電量が大幅に増加すると予想されている。

» 2011年08月17日 11時22分 公開
[Nicolas Mokhoff,EE Times]

 米国の市場調査会社であるLux Researchによると、「アジアと北米では今後、太陽光による発電量の増加が見込まれるものの、太陽光発電システムの価格の低下が発電量の増加よりも早く進むため、太陽光発電市場の売上高は横ばいで推移する」という。

 Lux Researchでアナリストを務めるMatt Feinstein氏は、報道向け資料の中で、「グリッド接続されたシステム向けの太陽光発電の発電量は、2010年の15.8GW(ギガワット)から2016年には37.5GWに増加する。年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は15.6%に達する。ただし、太陽光発電システムの価格の低下が発電量の増加よりも早く進むため、太陽光発電市場の売上高は、少なくともしばらくの間はほぼ横ばいで推移する見込みだ。同市場の売上高は、2010年は644億米ドルだった。2012年には569億米ドルに減少し、その後2016年には654億米ドルに持ち直すとみられる」と述べている。

 Lux Researchのリポートによると、太陽光発電への助成金はここ数年、金額の上限が設けられたり、取り消されたり、削減されたりといったケースがみられる。一方で、太陽光発電の導入件数は増加し続けているという。最大の市場であるドイツで需要が高まっているからだ。

 また、Lux Researchは、156の国や州、地域における均等化発電原価(LCOE:Levelised Cost of Electricity)と内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)を分析した結果から、「太陽光発電の需要は今後数年間にわたり、より幅広い市場にシフトする」と予測している。

 太陽光発電による発電量が大幅に増えるのは日本、中国、インドだという。また、米国では、政府による税制優遇措置が2016年まで続く他、州レベルでさまざまな助成プログラムがあるため、太陽光発電の分野は成長が見込まれている。

 Lux Researchのリポートには、米国や中国のほか、75の国と地域を対象に、太陽光発電の需要を示した地図も掲載されている。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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